洗礼名

洗礼名

洗礼名（せんれいめい）とは、キリスト教徒が洗礼を受ける際に授けられる名を指します。この名前は英語でクリスチャン・ネームとも呼ばれ、各教派によって異なる呼び方があります。

教派による呼称

例えば、正教会では「聖名」、カトリック教会では「洗礼名」または「霊名」として知られています。また、聖公会では「教名」となっており、プロテスタント諸教派では洗礼名を付けない場面が見受けられます。これは、正教会やカトリックで聖人を崇敬するのに対し、プロテスタントではその教えが採られていないためです。なお、主の十字架クリスチャン・センターのように、特定の場で洗礼名が付けられることもあります。

日本における記名の仕方

日本のクリスチャン・ネームの伝統を有する教会では、通常「洗礼名・世俗の氏名」という順序で記名されます。これは、クリスチャン・ネームがミドルネームとして扱われないためです。正しい書き方の例は「マルコ鈴木太郎」であり、極めて稀に「鈴木マルコ太郎」という順序が見られることもありますが、その場合は通常の記名の流れとは異なります。また、間違っている例として「鈴木太郎マルコ」や「マルコ太郎鈴木」があります。

洗礼名の由来

洗礼名は多くの場合、聖人や天使の名前が元になっていることが多いですが、聖書の言葉から名を取ることもあります。信者は自分が特に敬愛する聖人の名前や、その人に縁のある聖人から洗礼名を選ぶことが一般的です。さらに、教派によっては教会暦に基づいて各日付に特定の聖人が与えられているため、その聖人の誕生日に合わせて洗礼名を選ぶこともあります。

洗礼名に関する祝日

洗礼名に由来する聖人は、その人の守護聖人としての役割を担います。正教会やカトリック教会では、その聖人に関連した祝日や記念日を「聖名祝日」と呼び、ここは誕生日に並んで祝われます。たとえば、日本正教会ではこれを「聖名日」として祝います。一方、カトリック教会では「霊名の祝日」と呼び、国や地域によっては誕生日よりもこの祝日を盛大に祝うところもあります。また、ルター派の一部地域にも聖名祝日を祝う伝統があることが確認できます。

洗礼名は、信者の信仰を象徴するとともに、個々の識別の要素として深く根ざしているのです。

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