小野ヤスシ

小野ヤスシについて

小野ヤスシ（1940年2月11日 - 2012年6月28日）は日本を代表するタレント、コメディアン、俳優、司会者、ミュージシャンとして活躍しました。彼の本名は小野泰。鳥取県境港市出身で、自ら「鳥取が生んだ天才“スーパースター”」と言い、故郷への強い愛を抱いていました。

生い立ちと教育

小野は、父親の仕事の関係で日本統治下の朝鮮元山市に生まれましたが、幼少期に日本に引き揚げました。その後、鳥取県立境高等学校を卒業し、成城大学文芸学部に入学しましたが、途中で中退しています。

コメディキャリアの始まり

彼は1960年に「ザ・ドリフターズ」の初期メンバーとして活動を始めました。1964年に、グループ名が「桜井輝夫とザ・ドリフターズ」に変更され、正式に加入。やがて、リーダーの碇矢長一との対立により、仲間のジャイアント吉田、飯塚文雄、猪熊虎五郎とともに脱退し、コミックバンド「ドンキーカルテット」を結成。演芸ブームに乗って人気を集めました。

バラエティ番組での活躍

1970年にはドンキーカルテットが解散し、小野はタレントとしての活動にシフトしました。特に「スターどっきり（秘）報告」ではレポーターや司会を担当し、「キャップ」として親しまれました。彼は司会業を中心に、様々なバラエティ番組に出演し、映画やドラマでもコミカルな役柄で活躍しました。

政治活動と地域愛

1995年には、鳥取県選挙区から自由民主党推薦の無所属候補として参院選に立候補しましたが、残念ながら落選。しかし、故郷への愛情は深く、1996年から毎年11月に境港市に落語家や芸能人を招く「境みなと寄席」を開催し、自らも司会を勤めるなど活動していました。

晩年と病気

2000年代に入ると、青汁PRのトーク番組の司会や、加藤茶との「加トちゃんバンド」での活動など多岐にわたる仕事を続けました。2010年には腎盂腫瘍の手術を受け、がんと闘う姿勢を見せました。彼は慢性的な体調不良に悩まされながらも、観客の前に姿を見せ続けました。

最期の日々と葬儀

彼の最後の公の仕事は、2012年3月1日に行われた友人加藤茶の結婚披露パーティーでした。この時、彼は抗がん剤の副作用で苦しみながらも、最後まで司会を務めました。2012年6月28日、腎盂がんのために都内の病院で亡くなり、72年の人生を閉じました。お葬式では、彼の長年の友人たちが参列し、心からの別れを告げました。

まとめ

小野ヤスシは、そのユーモアと個性で日本のエンターテインメント界に大きな足跡を残しました。彼の生涯を通じて、地域愛と仲間を大切にする姿勢が多くの人に感動を与えました。彼の記憶は今も多くのファンによって語り継がれています。

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