小野修一

小野修一：惜しまれつつ幕を閉じた棋士の生涯

小野修一（おの しゅういち、1958年2月12日-2008年1月11日）は、日本の将棋棋士である。東京都出身で、棋士番号は134番。建部和歌夫八段門下として、将棋界で活躍した。

華々しい活躍と惜敗の連続

小野修一の棋士人生は、数々の輝かしい成績と、惜しくも届かなかった頂上への挑戦で彩られた。若手棋士の登竜門である新人王戦では、第13回と第15回大会で優勝。決勝では、後にタイトルホルダーとなる島朗、中村修を相手に、いずれも2-0のストレート勝ちという圧倒的な強さを見せた。さらに、早指し新鋭戦でも優勝を果たし、その実力を証明した。非公式棋戦であるIBM杯戦でも優勝を経験するなど、数々のタイトルを獲得している。

順位戦では、B級1組まで昇級。A級昇級という目標には届かなかったものの、B級1組では3位という好成績を収め、その実力は周囲から高く評価されていた。B級2組に陥落した後も、8勝2敗の成績で3位という結果を残すなど、常に昇級争いを演じていた。

1995年には、竜王ランキング戦2組で準優勝という結果を残し、1組への昇級と本戦トーナメントへの進出を決めた。

仙台での生活と引退

一時期は仙台市に在住し、対局のたびに上京するという生活を送っていた。2007年3月、健康上の理由により現役を引退。通算541勝、勝率0.537という素晴らしい成績を残した。この引退は、トップクラスの棋士を除けば非常に珍しいことだった。

しかし、引退からわずか1年足らずの2008年1月11日、虚血性心疾患のため、杉並区の自宅で死去。享年49歳という早すぎる死は、将棋界に大きな衝撃を与えた。

棋風と人物

小野修一の棋風は、居飛車党として知られていた。矢倉、角換わり、横歩取りなどを得意とし、積極的な攻めを仕掛け、相手を圧倒する将棋を指すことが多かった。

晩年とその後

2003年には、現役勤続25年表彰を受賞している。2001年には『失敗しない仕掛け』という著書も出版している。

小野修一の死後、日本将棋連盟は、2008年4月28日にその訃報を発表した。

小野修一の棋士人生は、華々しい勝利と惜しい敗北、そしてA級昇級という夢を叶えることなく閉幕したものの、その実力と人柄は、多くの人々の記憶に刻まれている。彼の残した541勝という輝かしい成績と、将棋界への貢献は、これからも語り継がれていくだろう。

昇段履歴

1973年：6級（奨励会入会）
1976年：初段
1978年10月6日：四段（プロ入り）
1984年4月1日：五段
1987年4月1日：六段
1990年4月1日：七段
2003年8月7日：八段
2007年3月31日：引退
2008年1月11日：死去（享年49）
2008年4月28日：日本将棋連盟が死去を発表

主な成績

棋戦優勝：新人王戦（第13回、第15回）、早指し新鋭戦（第5回）、IBM杯戦（第2回）
将棋大賞：第11回（1983年度）連勝賞
その他表彰：2003年　現役勤続25年表彰

著書

『失敗しない仕掛け』（2001年、毎日コミュニケーションズ）

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