島朗

島朗（しま あきら）の将棋人生

島朗は1963年2月19日に生まれ、東京都世田谷区出身の将棋棋士であり、棋士番号146を持ちます。高柳敏夫名誉九段の門下生として将棋界に足を踏み入れ、1980年に四段としてプロデビューを果たしました。彼は「55年組」として知られ、多くの棋士たちと共に将棋界に新たな風をもたらしました。

華々しい来歴

1988年、島は第1期竜王戦において米長邦雄を相手に4-0のストレート勝ちを収め、この年の初代竜王に輝きました。この快挙は、3組2位からの出場と竜王位獲得が史上唯一であることから、「シンデレラボーイ」とも称されました。しかし、翌年の第2期竜王戦では、羽生善治に対して3勝4敗という接戦の末に敗退。ただし、彼はその後もタイトル獲得には至らず、挑戦者としては第38期王将戦や第65期棋聖戦、第44期王座戦の例があるものの、いずれもストレート負けを喫しました。

NHK杯テレビ将棋トーナメントにおいても、第39回と第42回で準優勝を果たし、特に第42回では同門の中原誠との兄弟弟子対決が注目されました。1989年度のJT将棋日本シリーズでも準優勝に輝く等、常に高いレベルでの競争を繰り広げました。

600勝と800勝の達成

島は2004年に1046局目の対局で通算600勝を達成し、将棋栄誉賞を受賞しました。さらに2018年には1471局目の対局で通算800勝に到達し、将棋栄誉敢闘賞を手にしました。このように、彼の将棋キャリアは数々の記録と共に評価されています。

棋風と独自の研究

島の棋風は基本的に居飛車党でありますが、著書の「島ノート」では振り飛車に関する詳細な解説を行い、多くの棋士に影響を与えました。独特な美意識をもつ彼は、かつては形勢不利になると早急に投了することが多く「早投げの代表格」と呼ばれていましたが、近年はその考え方を改めています。独自の作戦に取り組む姿勢は、将棋界に新たなスタイルをもたらしました。

また、NHK杯での女流棋士との対局もあり、特に甲斐智美との戦いでは彼が珍しい作戦を採って勝利したことが印象に残ります。

若手棋士の育成と将棋界の改革

島は若手棋士との研究会やパソコンを活用したデータ管理によって、将棋界に新たな風を吹き込んできました。特に「島研」という名前で知られる研究会では、羽生善治をはじめとした優秀な棋士と共に学び合い、後に全員がタイトルを獲得する伝説を残しました。こうした背景から、彼は若手棋士育成に積極的に取り組んできたことが伺えます。

社会奉仕とプライベート

島は将棋界での活動だけでなく、さまざまな社会活動にも関与してきました。日本将棋連盟の理事として活動し、特に東北地方の将棋普及に力を入れています。特に宮城県の仙台市では青空将棋教室を毎年開催するなど、地域への貢献が目立ちます。

プライベートでは、結婚歴があり、愛する妻を亡くした後、再婚も果たしました。妻との生活や切り盛りした食卓の様子なども、多くの著作の中で触れられています。

島朗の将棋人生は、数々の栄誉や記録に彩られた華やかなものです。また、彼の創造性と独自の視点は、将棋界のみならず広く人々に影響を与え続けています。

もう一度検索