小野市立ひまわりの丘公園

兵庫県小野市浄谷町に広がる「小野市立ひまわりの丘公園（おのしりつひまわりのおかこうえん）」は、約80,000平方メートルもの広大な敷地を持つ多目的公園です。幹線道路である国道175号線に面し、その存在感を放っています。

公園の歴史と変遷

この公園は、当初は市の花であるヒマワリをはじめとする季節の花々を楽しむための花畑が中心でした。しかし、2002年（平成14年）4月に大規模な再整備が行われ、その機能は大きく拡充されました。大型の遊具施設、ヨーロッパ風の美しい庭園、飲食施設である「そろばん亭」、そして地元の特産品などを扱う商業施設（小野物産館オースト、サンパティオおの）が新たに整備されました。この整備を機に来園者数は飛躍的に増加し、現在では小野市民のみならず多くの人々にとって重要な憩いの場となっています。

四季を彩る花々

公園の大きな魅力の一つは、一年を通じて楽しめる季節の花畑です。春にはレンゲや菜の花が大地を黄色やピンクに染め上げ、夏には公園の名前にも冠されているヒマワリが咲き誇ります。秋には可憐なコスモスが揺れる風景が広がります。

特にヒマワリは、品種として「サンリッチレモン」や「太陽」などが中心に栽培されています。例年、6月末から7月上旬にかけて見頃を迎えるのが特徴で、盛夏に入る頃には残念ながら摘み取られてしまいます。また、秋のコスモスはセンセーションという品種が多く、見頃は11月上旬から中旬にかけてです。

公園のシンボル「ひまわりの塔」

公園の象徴として、国道からもよく見える高さ20メートルの巨大な塔がそびえています。これが「ひまわりの塔」です。この塔は、小野市の知名度向上とイメージアップを図る目的で建てられました。小野市出身で著名な二科会審査員でもある彫刻家、長谷川雅司氏が、市の花であるヒマワリをイメージしてデザインしました。

塔は重さ約260トンにも及ぶ巨大な御影石でできており、1991年（平成3年）に完成しました。この建設には、当時の竹下内閣が進めた「ふるさと創生1億円事業」の資金が活用されています。塔の頂部には力強い「ひまわり」が、中央部には「小野市章」が刻まれています。さらに、国宝である「浄土寺」や、県立自然公園「鴨池」、そして小野市の代表的な特産品である「そろばん」と「金物」が浮き彫りで表現されており、まさに小野市の歴史や文化、産業が集約されたモニュメントと言えます。夜間はライトアップされ、幻想的な姿を見せます。

園内の主要施設

広大な園内には、様々な目的で利用できる施設が充実しています。

小野物産館オースト: 地元の木工品、金物、園芸用品、手芸品から食品まで、幅広い小野市の産品や銘品を取り揃えたコミュニケーションショップです。火曜日と年末年始（12月31日〜1月2日）は休館です。
サンパティオおの: JA兵庫みらいが運営する農産物の直売所です。地元で採れたばかりの新鮮な野菜などが豊富に並びます。水曜日と年末年始は休業します。
小野市立児童館チャイコム: 子育て支援の拠点施設として機能しており、遊戯室、幼児室、授乳室のほか、図書室や集会室、相談室なども備え、親子での利用や情報交換の場として活用されています。
ヨーロッパ風ガーデン: ガゼボやベンチが配された開放的な空間に、ハーブやバラなど季節の植物が植えられ、四季折々の美しい景観を楽しめます。池の周囲には和風にアレンジされた落ち着いたコーナーもあります。
レストランそろばん亭: 園内で食事を楽しめるレストランです。年末年始を除いて営業しています。
海賊船パニックワールド: 大型遊具施設として、子どもたちに人気のスポットです。

その他、公園の管理運営を担うパークセンターも設置されています。

アクセス

自家用車を利用する場合、高速道路からのアクセスは以下の通りです。

中国自動車道の滝野社インターチェンジからは、国道175号線を南へ約8キロメートル進み、左折して公園に入ります。
山陽自動車道の三木小野インターチェンジからは、国道175号線を北へ約7キロメートル進み、右折して公園に入ります。

この公園は、花と緑に囲まれた豊かな自然環境、充実した施設、そして地域のシンボルである「ひまわりの塔」が一体となり、訪れる人々に多様な楽しみと安らぎを提供しています。

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