ガゼボ

ガゼボ：西洋庭園の憩いの場

ガゼボは、西洋の庭園、公園、公共の広場などに設置される、屋根付きの独立した建物です。英語読みでは「ガジーボ」とも呼ばれ、八角形のものが多いのが特徴です。雨風をしのぎ、日陰を提供するだけでなく、ベンチなどを備え、休息や景観を楽しむ場としても利用されています。規模は様々で、小さなものから野外音楽堂として利用できるほどの大きなものまで存在します。

歴史：古代から現代まで

ガゼボは、パゴダ、パビリオン、キオスクといった、庭園に設置される休憩用または装飾用の構造物の一種です。その起源は南欧や中東といった温暖な地域にあり、強い日差しを避け、庭を楽しむための建築として古代から存在していました。ペルシアや中国の庭園にも同様の構造物が存在し、文学作品にもしばしば登場します。その後、17～18世紀にはフランス式庭園やイギリス式[[庭園]]にも導入され、広く普及しました。

アメリカ合衆国においても、建国前から庭園にガゼボが普及していました。ジョージ・ワシントンやトーマス・ジェファーソンも、自らの邸宅にガゼボを建設しています。

「ガゼボ」という名称の初出は、イギリスの建築家ウィリアム・ハーフペニーとジョン・ハーフペニーによる1750年の共著『中国風の田園建築』です。この書物には、中国風のガゼボの図面と説明が掲載されています。

語源については諸説あり、フランス語の感嘆詞やマカロニ・ラテン語、さらにはアルジェの城塞周辺のムスリム居住区「カスバ」といった説まで存在します。Oxford Dictionariesによると、18世紀半ばに「gaze（見つめる）」という単語にラテン語の語尾を付加した造語とする説が有力です。

構造：多様な素材とデザイン

ガゼボの建築材料は様々です。イギリスや北米では、木の柱と屋根材としてこけら板などが用いられることが多いです。一方で、アーミッシュやメノナイトの人々が製作するプレハブ式の組み立てキットは、高い評価を受けています。

また、簡易な構造としては、柱を立てて布を張ったテント式のものもあります。虫よけのために蚊帳のような幕を張る場合もあります。ガゼボのデザインは多様で、それぞれの庭園の景観に合わせた様々なデザインが存在します。素材やデザイン、規模の大小に関わらず、ガゼボは庭園に安らぎと美しさを与える存在です。

ガゼボと関連する建築物

ガゼボは、様々な庭園建築物と関連があります。例えば、東屋、キオスク、パーゴラ、パビリオン、フォリー、グロリエッテなどは、いずれも庭園に設置される構造物であり、ガゼボと共通点を持つものです。これらの構造物は、機能やデザイン、規模においてそれぞれ異なる特徴を持ちますが、いずれも庭園空間を豊かに彩る重要な要素です。ガゼボの歴史や文化的な背景を理解することで、庭園におけるこれらの構造物の役割をより深く理解できるでしょう。

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