小金湯

小金湯：黄金の湯が湧く、歴史と自然の地

小金湯（こがねゆ）は、札幌市南区に位置する、国道230号沿いの風光明媚な地域です。札幌市街から定山渓温泉へ向かう途中にあり、温泉地として古くから親しまれてきました。その地名の由来は定かではありませんが、いくつかの興味深い説が存在します。

地名の由来：黄金にまつわるロマン

「小金湯」という地名の由来には、主に以下の3つの説があります。

温泉の硫黄の色: 小金湯温泉の湯に含まれる硫黄が、黄金色に見えたため。
砂金の産出: 実際に小金湯で砂金が採れたため。
黄銅鉱の露出: 川床に露出した黄銅鉱が、金色に輝いて見えたため。

いずれの説も、この地の自然が生み出す「黄金」のイメージと結びついており、ロマンを掻き立てます。

歴史：熊本県出身者が開いた「熊本開墾」

小金湯の歴史は、明治時代に遡ります。かつては豊平町大字平岸村字一の沢に属していました。1884年（明治17年）に札幌農学校第4農場が開設された際、山地での開墾に慣れた人材を求めて九州地方まで募集が出向きました。その結果、熊本県出身者が小金湯の開拓を担当することになり、この地は「熊本開墾」と呼ばれるようになりました。これは、小金湯の歴史における重要な出来事です。

1887年（明治20年）頃から温泉場として発展を始め、多くの人々が湯治や観光に訪れるようになりました。1944年（昭和19年）の字名改正によって一時的に豊滝の一部となりましたが、豊平町が札幌市と合併した翌年の1963年（昭和38年）に再び「小金湯」として分割され、現在に至ります。

施設：温泉、文化、自然が織りなす魅力

小金湯には、温泉施設のほか、様々な見どころがあります。

小金湯温泉: 良質な温泉が楽しめる温泉施設。日帰り入浴も可能です。
札幌市アイヌ文化交流センター: アイヌ文化を学び、体験できる施設。
小金湯天満宮: 地域の人々に親しまれている神社。
砥山ダム: ダム湖の景色が美しいスポット。
小金湯さくらの森: 春には桜が咲き誇り、多くの人々で賑わいます。

かつては定山渓鉄道線 小金湯停留所がありましたが、現在は廃止されています。

まとめ

小金湯は、温泉、歴史、文化、自然が調和した魅力的な地域です。札幌市街からのアクセスも良く、日帰り旅行にも最適です。ぜひ一度、小金湯を訪れて、その魅力を体感してみてください。

参考文献

『札幌地名考』さっぽろ文庫1

外部リンク

札幌市南区

もう一度検索