小関幸一

小関 幸一（こせき こういち）

日本の政治家であり、宮城県刈田郡七ヶ宿町の町長を3期連続で務めている。1952年（昭和27年）11月16日、現在の七ヶ宿町にあたる七ヶ宿村で生まれた。

経歴

故郷の小中学校を卒業後、1968年（昭和43年）4月に宮城県柴田農林高等学校畜産科に進学。1971年（昭和46年）3月に同校を卒業すると、同年4月には七ヶ宿町役場に就職した。役場では、産業土木課をはじめ、教育委員会、総務課、農林課、民生保健課など多岐にわたる部署を経験。特に、七ヶ宿町国民健康保険診療所の事務長（2001年3月～）、産業振興課長（2003年8月～）、総務課長（2006年9月～）といった要職を歴任し、2011年（平成23年）3月に役場を退職した。

長年の役場勤務から離れた後、2013年頃には町民からの強い要請を受け、町政を担うことへの意向を固めた。職員時代に、町長と議会間の調整不足から町政の意思決定や執行に遅れが生じる状況を目の当たりにした経験から、自身が町長となることで、よりスムーズで安定した町政運営を実現したいと考え、町長選挙への出馬を決意した。

町長としての活動

2014年（平成26年）9月、前町長の任期満了に伴う七ヶ宿町長選挙に立候補。対立候補が無く、無投票で初当選を果たした。町長就任時の抱負として、「住み心地100点」のまちづくりを目標に掲げ、特に以下の4つの柱を重点施策とした。

農林業などの地域固有の産業を振興し、若者の雇用の場を創出すること。
若い世代や子育て世帯にとって暮らしやすい生活環境を整備すること。
女性が能力を発揮し、活躍できる社会環境を作り出すこと。
都市部との交流を深め、町の魅力を発信し、訪れる人を増やす事業を展開すること。

これらの目標達成のため、特に過疎地域である七ヶ宿町にとって喫緊の課題である人口減少対策、とりわけ移住・定住促進に注力した。その一環として、民間の視点を取り入れた「七ヶ宿くらし研究所」という企業を設立し、画期的な移住支援策を打ち出した。特筆すべきは、町営住宅に20年間継続して居住すれば、その住宅と土地を無償で提供するというユニークな事業である。この積極的な取り組みにより、2019年（令和元年）時点では、34人が町に移り住み、8棟の新しい住宅が建設されるなど、具体的な成果が見られている。

また、住民生活の利便性向上と安心安全な地域づくりを目指し、みやぎ生活協同組合および株式会社ファミリーマートと包括連携協定を締結。この連携に基づき、2017年（平成29年）には、生協の店舗機能とファミリーマートのコンビニエンスストア機能を併せ持つ「ファミリーマート＋COOP七ヶ宿店」がオープンし、買い物環境の維持・向上に貢献している。

周辺自治体である白石市、蔵王町と共に運営する公立刈田綜合病院の将来を巡る議論では、病院の副管理者という立場から協議に参加。2021年（令和3年）2月の三市町による会合において、小関は白石市立病院への移行案を提示したが、組合の解散を急ぐのではなく、関係者間の円満な合意形成による課題解決を優先すべきとの見解を示した。この提案に対し、白石市長からは戸惑いの反応があり、蔵王町長は早期の方向性決定を求めるなど、立場による温度差も見られた。

その後も引き続き町政を担い、2018年（平成30年）9月、2022年（令和4年）9月と、いずれも無投票で2期目、3期目の当選を果たしている。

現在、七ヶ宿町長職のほか、宮城県中山間活性化推進協議会長、全国過疎地域連盟宮城県支部長、公立刈田綜合病院副管理者、仙南地域広域行政事務組合理事など、宮城県や仙南地域の振興に関わる重要な役職を兼務している。

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