小風秀雅

小風秀雅：日本近代史研究における多大な貢献

小風秀雅氏(1951年-)は、日本の近代史研究において重要な役割を果たしてきた歴史学者です。専門は日本近代史、中でも国際関係史と交通史に造詣が深く、その研究成果は多くの著作に結実しています。

神奈川県出身の小風氏は、東京大学文学部を卒業後、同大学で博士号(文学)を取得(1995年)。その後、お茶の水女子大学大学院人間文化研究科教授として長年教鞭をとり、2017年に定年退職されました。その後も研究活動は継続し、2018年から立正大学文学部史学科教授として後進の育成にも尽力され、2022年に同大学を定年退職されました。現在も立正大学人文科学研究所研究員として研究活動を続けていらっしゃいます。また、交通史学会会長も務め、日本の交通史研究の進展にも大きく貢献しています。

小風氏の研究は、近代日本の国際関係や交通システムを多角的に分析することに特徴があります。単著『帝国主義下の日本海運 - 国際競争と対外自立』(山川出版社、1995年)では、近代日本の海運業が国際競争の中でどのように発展し、対外的な自立をどのように目指したのかを詳細に論じています。また、『近代日本と国際社会』(放送大学教育振興会、2004年)では、国際社会における近代日本の位置づけを多面的に考察しています。さらに、郷土史研究にも積極的に取り組んでおり、『湘南の風景 茅ヶ崎・海と緑の近代史』(茅ヶ崎市、2009年)では、茅ヶ崎市の歴史と自然環境について深く掘り下げています。

これらの単著に加え、小風氏は数多くの共著、編著、共編著も発表しています。例えば、『アジアの帝国国家』(吉川弘文館、2004年)ではアジアにおける帝国主義の展開を多角的に分析し、『日本近現代史』(放送大学教育振興会、2009年)では日本近現代史を俯瞰的に解説しています。また、『相模湾上陸作戦 第二次大戦終結への道』(大西比呂志、栗田尚弥氏と共著、1995年)では、第二次世界大戦終戦における相模湾への上陸作戦を詳細に分析しています。さらに、『日本交通史辞典』(丸山雍成、中村尚史氏と共著、2003年)は、日本の交通史研究において貴重な参考文献となっています。

小風氏の研究活動は、単なる学術研究にとどまらず、歴史教育、地域文化の振興にも貢献しています。特に、茅ヶ崎市に関わる研究は、地域社会への理解を深める上で大きな役割を果たしています。

このように、小風秀雅氏は、日本近代史研究、特に国際関係史と交通史研究において、多大な貢献を果たした歴史学者と言えるでしょう。その幅広い研究活動は、今後も日本の歴史研究に大きな影響を与え続けるものと期待されます。

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