小鳥トンネル

小鳥トンネル：安全と快適性を両立させた岐阜のシンボル

岐阜県高山市に位置する小鳥トンネルは、中部縦貫自動車道高山清見道路の重要な区間を担う全長4,346mのトンネルです。高山市の市街地から高速道路へのアクセスを劇的に改善し、地域社会に多大な貢献を果たしています。

小鳥峠越えからの解放：安全と利便性の向上

トンネル開通以前、高山市中心部から東海北陸自動車道飛騨清見ICへは、国道158号の小鳥峠（標高1,002m）を越えるルートが一般的でした。しかし、このルートは冬季の積雪や路面凍結による事故が多発するなど、安全面で大きな課題を抱えていました。小鳥トンネルの開通によって、悪天候時における交通の安定性と利便性が飛躍的に向上しました。特に冬季の安全確保という点では、その効果は絶大です。さらに、この道路は無料区間であるため、利用者にとって経済的なメリットも享受できます。

快適な走行環境のための工夫：グッドデザイン賞を受賞したデザイン

長大なトンネル内での眠気や閉塞感を軽減するため、小鳥トンネルでは、内壁面にカラータイルを線状に配置する「シークエンスデザイン」が採用されています。このデザインは、ドライバーの注意力を維持し、安全運転を促す効果が期待されています。この独創的な取り組みは、2006年度グッドデザイン賞を受賞するなど、高い評価を得ています。

安全設備の充実：万全の態勢でドライバーを守る

4,000mを超える長大なトンネルであることを考慮し、小鳥トンネルでは換気設備の効率化が図られています。34台のジェットファンに加え、煤煙量の透過率測定器、一酸化炭素濃度測定器、風向風速測定器が複数設置され、火災発生時にも迅速かつ適切な対応が可能です。さらに、トンネル坑口付近には、走行車種と速度を測定する装置も設置され、換気設備の制御に役立てられています。

降雪対策：安心・安全な走行環境の提供

降雪の多い地域であることを考慮し、トンネルの出入口には路面ヒーターが設置され、融雪と凍結防止対策が万全です。また、両坑口にはチェーン着脱所が設置されており、冬季だけでなく休憩場所としても通年利用可能です。これにより、ドライバーの安全と快適性をより一層高めています。

高山清見道路と小鳥トンネル：地域の未来を支えるインフラ

小鳥トンネルは、E67中部縦貫自動車道（高山清見道路）の一部として、高山西ICと飛騨清見ICを結んでいます。この道路の整備は、高山地域の交通インフラの改善に大きく貢献し、地域経済の活性化や観光振興にも寄与しています。小鳥トンネルは、単なる道路施設ではなく、地域の未来を支える重要なインフラとして、その役割を果たしているのです。

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