小鳴門橋

小鳴門橋の紹介

小鳴門橋（こなるとばし）は、徳島県鳴門市に位置する、美しい吊橋です。全長441.4メートル、最大径間160メートル、幅7メートルの構造を持ち、23.5メートルの高さから交差する小鳴門海峡を一望できます。この橋の特異な点は、主塔が3組設けられている4径間吊橋という点で、横から見るとA字形の印象を与えます。小鳴門橋は、撫養町大桑島と鳴門町土佐泊浦を結ぶ重要な交通路であり、徳島県道11号鳴門公園線が通ります。

橋の歴史と目的

小鳴門橋は、神戸から鳴門への交通路を確立し、観光客を誘致するために計画されました。1959年11月に工事が始まり、1961年7月に開通を迎えました。その建設は、当時本州と四国を結ぶ連絡橋の実現が疑問視される中、徳島県が自らの力で橋を構築した意義深いものでした。この事業は、国へのアピールともなり、当時の神戸市長も開通式に参加しました。

この橋の建設には約3億4千万円の費用がかかり、資金は関西電力と四国電力からの貸与に依存していました。開通当初、この橋は有料道路として運営されていましたが、1977年には無料化されています。その後、1987年に国道28号が開通するまでの間、小鳴門橋は淡路島と四国を結ぶ重要な交通手段としての役割を果たしました。

構想から開通まで

小鳴門橋の構想は、1949年の鳴門市観光開発計画の中にあり、1955年8月には当時の市長がその私案を発表しました。しかし、最初は架橋が実現しませんでした。1957年には、有料道路としての架橋を陳情しましたが、断られ、計画は一時停滞しました。1958年、民間団体が発足し、鳴門市と徳島県の議会が調査費を共に出資、建設調査が進む中で工事が現実のものになりました。

1959年、県議会での決議を受けて工事が開始され、さまざまな技術的挑戦を乗り越えながら、1961年7月に完成を迎えました。開通式の翌日からは通行料が徴収され、多くの通行車両がこの橋を利用しました。

通行状況と安全性

開通当初、小鳴門橋は普通車150円の通行料を取っていましたが、その後の交通事情の変化もあり、1977年には無料道路となりました。ただし、現在この橋には歩道がなく、狭い路肩となっているため、とても危険です。行き交う車両に対し歩行者や自転車の通行が難しい環境となっています。

通行規制として、7時から21時までの間は駐停車が禁止され、歩行者や自転車は基本的に利用を控えるべきです。鳴門市営の渡船を利用することで、安全に小鳴門海峡を渡ることも可能です。

まとめ

小鳴門橋は、ただの交通手段ではなく、徳島の観光名所ともなっています。歴史的背景を持ち、地域の人々と観光客にとって重要な役割を果たしているのです。橋を渡る際は、安全を第一に考え、できるだけ公共交通機関を利用することをお勧めします。小鳴門橋は、今後も地域の発展とともに、多くの人々を魅了し続けることでしょう。

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