少女セクト

少女セクト

『少女セクト』は、玄鉄絢によって描かれた漫画作品であり、成人向け漫画雑誌『コミックメガストア』にて2003年から2005年にかけて連載されました。女子校を舞台に、少女たちが真剣に愛し合う姿を繊細に描き出しています。

作品概要

物語は、良家の子女が集う籠目女子学校を舞台に展開されます。風紀委員である内藤桃子は、女の子同士の恋愛にも偏見を持たない明るい性格の持ち主。そんな彼女が、学校一のプレイガールである藩田思信と出会い、次第に意識していく様子が描かれています。

思信は、美少女と見るや見境なく手を出すため、桃子は呆れながらも苦言を呈します。しかし、時折思信が発する鋭い言葉に、桃子は考えさせられることもあります。ある日、桃子は思信から愛の告白を受け、自分の気持ちに整理がつかないまま、担任の女性教諭である隼砥教子と関係を持ってしまいます。しかし、教子は病気のために桃子の元を去り、心の拠り所を失った桃子は、次第に思信への思いを募らせていくのです。

作品の特徴として、繊細な描線による丁寧な作画と、登場人物たちの粋なセリフ回しが挙げられます。また、高等部の制服が各話ごとに異なっている点や、ハーレム構成員の証としての私服など、細部にまでこだわりが感じられます。

単行本はコアマガジンから全2巻で発行され、描き下ろしとして登場人物の設定や4コマ漫画、最終回の数年後の物語などが収録されています。また、スピンオフ作品として『五十鈴のカウンター』も発表されています。

登場人物

内藤桃子: 籠目女子学校の風紀委員。真面目な性格で、人当たりが良い。シニヨンヘアーがトレードマーク。
藩田思信: 桃子の同級生。美少女に手当たり次第に手を出すプレイガール。尊大な態度を取るが、繊細な性格。
諏訪部麒麟: 思信の同級生で側近。思信の崇拝者であり、良き理解者でもある。秀才で学校の成績は抜群。
燕条寺真弥: 思信の同級生で側近。思信の召使となり、同棲することになる。愛称はまーや。
吉岡柴: 麒麟の後輩で同寮生。真面目で健気な性格。麒麟に対して甘えん坊。
隼砥教子: 桃子の担任でのち恋人。同性しか愛せなくなる。子どもっぽい性格。
大神小百合: 思信の先輩。思信を手に入れようと策略を巡らす。

スピンオフ

スピンオフ作品である「五十鈴のカウンター」は、可愛い女の子との出会いを求めている五十鈴が、様々な場所へ赴くも出会えないという短編作品です。本編キャラクターたちの数年後が描かれています。

書誌情報

玄鉄絢 『少女セクト』 コアマガジン〈メガストアコミックス〉、全2巻
* 玄鉄絢『少女セクト〈まとめ版〉』コアマガジン（コアコミックスNo.430）

OVA版

2008年には、『少女セクト〜Innocent Lovers〜』のタイトルでOVAが発売されました。原作のエピソードを再構成し、オリジナルエピソードも追加されています。

『少女セクト』は、少女たちの繊細な感情と関係性を描いた作品であり、多くのファンを魅了しています。

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