少弐政資

少弐政資（しょうに まさすけ）：室町・戦国期の武将、少弐氏中興の祖

少弐政資は、室町時代後期から戦国時代初期にかけて生きた武将であり、少弐氏の15代当主です。筑前国（現在の福岡県）の高祖城を拠点としていました。初めは頼忠と名乗り、父の死後に家督を継ぐ際、室町幕府8代将軍・足利義政から偏諱を受け、政尚と名乗ります。その後、政資へと改名しました。

生涯

応仁の乱と幕府への帰参

少弐氏は長きにわたり、室町幕府の出先機関である九州探題・渋川氏や、その背景にある周防国（現在の山口県）の守護大名・大内氏と対立していました。しかし、応仁元年（1467年）に勃発した応仁の乱において、大内氏が西軍に味方すると、少弐教頼・政資父子は東軍の細川氏に接近し、幕府への帰参を果たします。応仁2年（1468年）には、九州で蜂起した父・教頼が大内氏に敗れて戦死したため、政資が家督を継承しました。

少弐氏の中興

家督を継いだ政資は、大内氏に奪われていた筑前国・豊前国（現在の大分県の一部を含む）の奪還に成功します。また、大陸との貿易を積極的に行うことで経済的な利益を上げました。さらに、肥前国（現在の佐賀県・長崎県）の九州千葉氏の内紛に乗じて弟を当主として送り込み、千葉胤資と名乗らせるなど、一時的に少弐氏を中興させました。

大内氏の侵攻と最期

しかし、長年の盟友であった対馬国の宗貞国の離反を許し、さらに応仁の乱の終結後、大内政弘が再び北九州への侵攻を開始すると、少弐氏は劣勢に立たされます。政弘の子・義興の時代には、九州探題の渋川尹繁と共に、幕府から政資追討令を得た大内氏・渋川氏連合軍による全面的な攻撃を受け、筑前国を放棄して肥前国へ退避しました。しかし、大内氏らの執拗な追撃を受け、傘下の国人である多久氏の居城・梶峰城に拠りましたが、多久宗時の離反によりそこからも追放され、最終的には専称寺において自刃しました。

政資の子である頼隆と高経は、政資と共に討ち死にしましたが、三男の資元は肥前国の少弐氏庶流である横岳資貞を頼って落ち延び、少弐氏は辛うじて存続することとなります。

辞世の句は、「花ぞ散る　思へば風の　科ならず　時至りぬる　春の夕暮」と伝えられています。

終焉の地となった専称寺には、核割れ梅の伝承が残されており、三男・資元と並んだ墓碑が現存しています。

参考文献

『別本少弐系図』
『萩藩閥閲録』
* 『北肥戦誌』

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