少林寺拳法 (映画)

映画『少林寺拳法』について

『少林寺拳法』（しょうりんじけんぽう、The Killing Machine）は、1975年に公開された日本のアクション映画で、千葉真一が主演を務め、鈴木則文が監督を担当しました。制作は東映が行い、カラー・シネマスコープ形式で87分の上映時間を持っています。本作は、宗道臣という人物の半生を通じて、少林寺拳法の誕生と成長を描いています。

あらすじ

本作のストーリーは、中国大陸で伝統的な中国武術を学んでいた主人公、宗道臣の人生を追います。彼は義和拳の印可を受けた後、日中戦争の最中に日本軍の特務機関に所属し、諜報活動に従事しました。しかし、敗戦により失意の帰国を余儀なくされ、大阪の阿倍野で浮浪児たちを養う生活を始めます。正義感から土地のヤクザや米兵たちと対立し、彼が選ぶ道は再び厳しいものでした。やがて、四国の香川県に移り住むことになります。

映画の特徴

本作では千葉真一が、すでに他の武道である極真カラテの黒帯を取得するほどの腕前を持ちながら、少林寺拳法を新たに修行しました。そのため、映画内では少林寺拳法の特有の技やアクロバティックな動きが披露されています。千葉は身体能力のみならず、表現力でも観客を魅了しました。映画のラスト近くには、「正義を伴わない力は暴力なり。力を伴わない正義は無力なり」というメッセージが表示され、哲学的な深さを感じさせます。これはブレーズ・パスカルの『パンセ』から引用されたものです。

キャストとスタッフ

主演の千葉真一は宗道臣役を演じ、ヒロインには中島ゆたかがキャスティングされました。門下生役や脇役には、佐藤允、誠直也、志穂美悦子、丹波哲郎など実力派が揃っています。製作は1974年11月にスタートし、千葉真一と鈴木則文はこの映画を通じてアクション映画の新たな可能性について探求しました。特に、鈴木は「俳優は体技と演技、両方の能力が求められる」と考え、その理論を今回の作品で実証しようとしました。

まとめ

『少林寺拳法』は、主人公の成長と苦悩を描きながら、武道の本質についての理解を深めさせる作品に仕上がっています。アクションと哲学が交錯するこの映画は、見応えがあり、鑑賞者に強い印象を残すこと間違いありません。武道の魅力と、その背後にある深い理念を感じることができる作品として、多くの人々に愛され続けています。

もう一度検索