尹貞玉

尹貞玉（ユン・ジョンオク）

尹貞玉（ユン・ジョンオク、1925年生まれ）は、韓国の著名な英文学者であり、市民活動家としても知られています。梨花女子大学の名誉教授であり、韓国挺身隊問題対策協議会の共同代表として、慰安婦問題に関する調査や活動を行っています。彼女の活動は、韓国社会における女性の権利や歴史的な injustices に対する意識を高める重要な役割を果たしてきました。

略歴

尹は1925年、当時日本が統治していた江原道高城郡外金剛で生まれました。1943年には梨花女子専門学校に入学しましたが、自主退学を選択。その後、解放後に梨花女子大学に再入学し、最終的に卒業します。

1953年には梨花女子大学の講師となり、その後教授に昇進。1980年代からは女子挺身隊や従軍慰安婦の調査に乗り出し、1988年には韓国教会女性連合会が主催するセミナーで慰安婦問題について報告を行い、「挺身隊研究委員会」の設置を促しました。

1990年には、『挺身隊（怨念の足跡）取材記』をハンギョレ新聞に連載し、慰安婦についての認知を韓国社会に広めました。その努力が実を結び、同年11月には、「韓国挺身隊問題対策協議会」が設立され、尹はその代表に就任しました。

主要な活動と主張

尹貞玉は1980年から慰安婦に関する調査活動を展開しました。1996年のクマラスワミ報告においては、日本軍による強制連行の事実が記載され、彼女の発言が注目を集めました。また、彼女はアジア女性基金に対し強く反対し、慰安婦に対してその受け取りを拒否するよう強要していました。こうした動きが原因で、慰安婦たちや他の団体から批判を受けることもありました。

2004年には、故シム・ミジャを含む元慰安婦らが挺対協に対して声明を発表し、彼らが母たちを利用して私利を肥やす存在であると非難しました。尹はアジア女性基金に関する発言で、「基金を受け取ることは公娼となること」として、元慰安婦たちに厳しい態度を取っていました。このため、彼女と挺対協の行動が元慰安婦たちの人権を侵害しているとの指摘がありました。

近年では、日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯（正義連）や元代表の尹美香に対する告発と不正疑惑により、彼女の立場はそこなわれていく展開が見られました。他の元慰安婦たちからは、組織の精神に反する行為があったとの批判の声が上がりました。

著作

尹貞玉は多くの著作を残しており、特に「米国自然主義とSherwood Anderson」や『Charles Dickens, Great Expectations（大いなる遺産）』に関する解説が著名です。また、1992年には「朝鮮人女性がみた「慰安婦問題」：明日をともに創るために」を出版し、慰安婦問題についての考察を示しました。

終わりに

尹貞玉の活動と発言は、韓国社会における慰安婦問題の認識を深めることに大きく寄与しましたが、その一方で多くの批判も受けています。彼女の生涯を通じての貢献とその影響は、今後も考察され続けるでしょう。

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