尼崎本線料金所

尼崎本線料金所

正式名称は尼崎本線料金所（あまがさきほんせんりょうきんじょ）と称され、かつて阪神高速道路3号神戸線上に設置されていた重要な料金徴収施設でした。所在地は兵庫県尼崎市南城内であり、阪神高速ネットワークの一角を占める位置にありました。

この料金所の主な機能は、神戸線を利用して大阪市中心部や環状線方面へ向かう車両から通行料金を収受することに特化していました。そのため、逆方向である神戸方面へ向かう車両に対しては料金徴収は行われず、一方通行の運用形態が採られていたのが特徴です。

廃止されるまでの料金所ブースは、合計で8つ備えられていました。このうち、電子料金収受システムであるETC専用レーンが4ブース設けられており、加えて一般レーンが4ブース用意されていました。ETC専用レーンは、時間帯や道路の混雑状況に応じて、ETCを搭載していない一般車両も通行できるETC/一般兼用として運用される柔軟性も持っていました。これにより、様々な支払い方法に対応し、一定規模の交通量を効率的に処理する能力を備えていました。

しかし、尼崎本線料金所は永続的な施設ではなく、高速道路網全体の機能向上や交通円滑化の観点から廃止されることとなりました。具体的には、2016年11月に実施された阪神高速3号神戸線の大規模な集中工事に合わせて、その役目を終え、撤去されました。この集中工事は、老朽化した道路構造物の更新や機能強化を目的としたものであり、複数の施設の改廃を含んでいました。尼崎本線料金所の廃止と同時期に、近隣には武庫川入口料金所が新たに開設されており、これは料金徴収地点の再配置や分散化といった、より広範な交通インフラ計画の一部であったと考えられます。

料金所施設が撤去された後の跡地は、現在、阪神高速3号神戸線の利用者向けに整備された尼崎パーキングエリア（尼崎PA）として活用されています。かつて料金所のレーンが並んでいた場所は、高速道路利用者が休憩や情報収集を行うためのスペースへと生まれ変わり、ドライバーの安全運転を支援する施設として機能しています。パーキングエリアの設置は、長距離移動における疲労軽減や事故防止に貢献する重要なインフラ整備であり、料金所廃止によって得られた空間が有効活用された例と言えます。

阪神高速3号神戸線上におけるこの地点は、大阪方面への交通の流れにおいて、尼崎東出口（ナンバリング3-06）を過ぎた後に位置し、その先に武庫川出入口（ナンバリング3-07）が続くという配置でした。料金所（現PA）がインターチェンジの間に設けられていた典型的な例であり、周辺施設との位置関係も交通体系を理解する上で重要な情報となります。

尼崎本線料金所は、日本の高速道路における料金収受システムの歴史や、特定の路線の機能変遷を示す施設の一つとして、辞書項目に掲載されることがあります。本線上に料金所が設けられる形式は、かつての高速道路では一般的でしたが、料金体系の変更やETCの普及などによりその数は減少傾向にあります。尼崎本線料金所の廃止も、こうした全国的な高速道路インフラの変化の一部として捉えることができます。関連する項目としては、「日本のインターチェンジ一覧」や「本線料金所」といった高速道路に関連する一般的な項目が挙げられます。かつて交通の流れを一時停止させていた料金所は、現在は憩いの場となり、その姿を変えていますが、阪神高速神戸線の歴史の一部として記憶されています。

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