尾上松也 (2代目)

二代目 尾上 松也

日本の伝統芸能、歌舞伎に新たな風を吹き込んでいる二代目尾上松也（おのえ まつや）は、1985年1月30日生まれ、東京都中央区出身の歌舞伎役者です。彼の屋号は音羽屋、家紋は抱き若松であり、現在は「尾上松也」の名跡を継承しています。身長は178cmで、IAMYのメンバーとしても知られています。

家族の影響

松也の家族は、歌舞伎の世界で著名な人物が揃い、彼自身もその影響を強く受けています。父は六代目尾上松助、母は元新派女優の河合盛恵、祖父は新派名脇役の春本泰男、叔父は大谷桂三（初代尾上松也）、さらに妹は新派女優の春本由香と、まさに歌舞伎一家です。

初舞台とその後の活躍

彼は5歳の時、父の襲名披露に伴い、歌舞伎座で初舞台を踏みました。当時の松竹会長の一声で決まったこの舞台は、彼にとって新たな冒険の始まりとなりました。以降、松也は数々の子役として多くの舞台で受賞歴を重ね、特に10代後半から20代前半にかけては、若衆役や女形中心に活躍しました。

父の死去後、松也は当初は弟子たちへの弟子の募集をするつもりでしたが、弟子たちは彼のもとに留まることを選びました。松也は「父から受け継いだ最大の財産はこの3人の弟子である」と強調し、彼らと共に歩む道を選びました。

さらに彼は、自主公演『挑む』を2009年から主催し続け、そこでの舞台で新たな作品に挑戦する姿勢を見せてきました。20代後半からは、立役を中心に多くの役を演じるようになり、重要無形文化財に認定されるなど、その実力を広く認められました。

映画・ミュージカルへの進出

また、松也は歌舞伎だけでなく、ミュージカルにも積極的に出演し、2016年のミュージカル『狸御殿』では主演を務めるなど、その幅広い才能を発揮しています。2014年から2015年にかけては、容姿と声の魅力を武器に大きくブレイクし、テレビ番組にも頻繁に出演するようになりました。

プライベートと趣味

私生活では松也は甘党として知られ、スイーツをプロデュースするなど、役作りにもクリエイティブに取り組んでいます。趣味は野球とフットサルで、特に野球はジャイアンツの大ファンであり、たびたび草野球にも参加しています。彼はまた、フットサルチームのキャプテンも務めており、歌舞伎役者仲間とも親密な関係を築いています。

新たなチャレンジ

松也は2022年以降、新型コロナウイルスの影響により公演の中止も経験し、試練を乗り越えてきました。そんな中でも、彼は2023年には新作歌舞伎『刀剣乱舞 月刀剣縁桐』の演出を手がけ、自身のキャリアに新たな章を加えています。

今後、尾上松也がどのような作品を通じて、日本の伝統芸能を継承し続けていくのか、その動向に注目が集まります。彼は「歌舞伎のバトンを次の世代へつなぐ」と語り、自己の役割をしっかりと理解しているようです。松也の情熱と創造力は、間違いなく日本の歌舞伎界において輝かしい未来を切り開く力となるでしょう。

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