尾上菊次郎 (2代目)

二代目 尾上菊次郎について

二代目尾上菊次郎（にだいめ おのえ きくじろう）は、1814年に生まれ、1875年に亡くなった歌舞伎役者で、幕末から明治時代初期にかけて活躍しました。彼は俳名を梅花とし、屋号は音羽屋。彼のキャリアは、名門の歌舞伎家に師事し、多くの舞台でその才能を発揮することで知られています。

幕末の舞台に立つ

菊次郎は、最初に七代目片岡仁左衛門の門下に入り、片岡市松という名前で上方の舞台に立ちました。彼の舞台経験は決して短くはなく、すぐにその才能が認められるようになりました。その後、二代目中村富十郎の弟子として中村歌柳に改名し、若女形として宮芝居で活躍しました。

1833年には二代目中村三光に改名し、翌年には名古屋に出向いて大須芝居に出演。これらの経験が彼の演技力を磨く助けとなり、1863年には江戸に下り、三代目尾上菊五郎の弟子となることで新たなスタートを切りました。観客からの評判を受け、『菅原伝授手習鑑』の中のキャラクターお八重を演じ、その名を知られるようになります。

江戸と上方、二つの舞台での活躍

彼はその後、22年間にわたり江戸に留まって舞台を務めることになります。安政4年の1857年には京の方に戻り、大坂での公演で俳名を梅花に改めましたが、同年の京都北側芝居では菊次郎に戻しました。文久元年には再び江戸に下り、幕末の女形としてその存在感を示しました。

明治時代に入ると、時代の変化に適応することが難しくなり、多くの地方巡業を行わざるを得ませんでした。菊次郎は62歳という若さで生涯を閉じましたが、当時の女性の役を華麗に演じ切ったことで、歌舞伎界にその名を刻んでいます。

代表的な演目と評価

彼の代表作には、歌舞伎の名作『佐倉宗吾』に登場する女房おみねの役が挙げられます。また、音曲を得意としていた菊次郎の演技に対し、九代目市川團十郎は彼の外見について「妙なひょっとこ面」と評しました。しかし、同時に彼の演技の妙が彼を女性のように見せるほどであり、そのユーモラスな面さえも観客の心を捉えるほどの力量を持っていたと語っています。

弟子には二代目尾上多賀之丞がいるなど、後進の育成にも力を注いでいたことが彼の功績の一部です。

まとめ

二代目尾上菊次郎は、歌舞伎の花形として多くの人に愛され、敬われる存在となりました。彼の舞台にかける情熱と技術は、今なお多くの演者たちに影響を与え続けています。彼の生涯を振り返ることで、当時の歌舞伎業界の様々な変化や潮流を理解することができるでしょう。

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