尾山三郎

尾山三郎

尾山三郎（おやま さぶろう、1888年12月25日 - 1951年10月3日）は、日本の実業家、そして政治家として多岐にわたる分野で活躍しました。彼は参議院議員（1期）を務め、富山市長としてもその手腕を発揮しました。旧姓は大野といいます。

経歴

尾山三郎は、1888年（明治21年）12月25日に富山県婦負郡富山手伝町（現在の富山市）で、大野清兵衛の三男として生を受けました。1899年には、富山市千石町の尾山定次郎の養子となり、新たな人生を歩み始めます。1905年3月には、富山市立富山商業学校（現在の富山県立富山商業高等学校）を卒業しました。

実業家として

卒業後、尾山は富山市蛯町の(株)青物市場に入社し、その才能を発揮しました。同社で支配人、社長を歴任し、経営者としての手腕を磨きました。また、帝国館社長、富山鉄道監査役、富山県食糧営団理事、富山県水産業会副会長など、様々な要職を歴任し、富山県の経済界に大きく貢献しました。さらに、富山消防組組頭、富山警防団長、大日本警防協会理事なども務め、地域社会の安全にも尽力しました。

政治家として

政界においても、尾山は目覚ましい活躍を見せました。富山市会議員を6期、富山県会議員を4期務め、市会副議長、同議長も歴任しました。戦後、公選初の富山市長に選出され、1947年4月10日に就任。戦災からの復興に尽力し、市民生活の再建に奔走しました。1948年1月には、富山県消防協会の設立に伴い同会長に就任し、富山市消防団長兼富山市消防長、日本消防協会理事も務め、消防体制の確立に貢献しました。

参議院議員として

市長の任期途中であった1950年5月9日に辞職。同年6月の第2回参議院議員通常選挙に富山県地方区から出馬し、見事当選を果たしました。当選後は自由党に所属し、国政の舞台で活動しましたが、在任中の1951年10月3日に富山市の自宅で病気のため死去しました。その功績を称えられ、死没日をもって正六位に叙され、木杯一組を賜りました。

尾山三郎は、実業家として経済の発展に貢献し、政治家として地域社会の復興と安全に尽力しました。彼の生涯は、故郷である富山県の発展に捧げられたと言えるでしょう。

参考文献

帝国秘密探偵社編『大衆人事録 第14版 北海道・奥羽・関東・中部篇』帝国秘密探偵社、1943年。
歴代知事編纂会編『日本の歴代市長 第2巻』歴代知事編纂会、1984年。
* 衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。

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