尾崎吉弘

尾崎吉弘：和歌山市政に足跡を残した政治家の生涯

尾崎吉弘は、1936年8月16日に生まれ、2024年4月23日に87歳で亡くなった日本の政治家です。彼は、和歌山市議会議員を3期、和歌山県議会議員を4期務めた後、1995年から1998年まで第22代和歌山市長を務めました。

政界での活躍

尾崎氏は、和歌山県立桐蔭高等学校を卒業後、和歌山市議会議員を経て和歌山県議会議員を務めました。県議時代には、近畿都市国民健康保険者協議会会長や和歌山県議会経済警察委員会委員長などの要職を歴任し、地方自治の発展に貢献しました。その功績が認められ、1992年4月29日には藍綬褒章を受章しています。

1995年、尾崎氏は和歌山市長選挙に自民党推薦で出馬し、新進党・公明党推薦の候補を破って初当選を果たしました。この選挙は、各陣営が政党や衆議院議員選挙の立候補予定者の後押しを受け、いわば「プレ衆院選」として注目を集めました。市長在任中には、和歌山市の中核市への移行を実現し、「いのち ひかる 未来和歌山」をスローガンに掲げ、和歌山市長期総合計画を策定するなど、市政の発展に尽力しました。

不祥事と失脚

しかし、1998年9月、泉南市農協の不正融資事件を契機に、尾崎氏の指示で和歌山市土地開発公社が「買付証明書」を発行していたとの疑惑が浮上しました。同年11月2日、和歌山市職員の採用試験に絡む100万円の収賄容疑で大阪地検特捜部に逮捕され、加重収賄罪で起訴されました。尾崎氏は、顧問弁護士を通じて11月30日に辞職届を提出し、12月1日付で市長を辞職。後任には、かつて市長の座を譲った旅田卓宗氏が再任されました。

晩年と死

尾崎氏はその後、公の場に姿を現すことはありませんでしたが、2024年4月23日、肝不全のため87歳で亡くなりました。彼の死は、和歌山市政に深く関わった一人の政治家の生涯の終わりを告げるものでした。

尾崎吉弘氏は、地方自治の発展に貢献した一方で、晩年には不祥事で失脚するという、波乱万丈な人生を送りました。彼の功績と過ちは、和歌山市政の歴史に深く刻まれています。

参考文献

『ことばは生命 県議会質問編』（尾崎吉弘後援会、1991年）

親族

子は和歌山県議会議員の尾崎太郎、和歌山市議会議員の尾崎方哉。

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