尾崎弘之

尾崎 弘之

尾崎 弘之（おざき ひろゆき）は、1960年4月17日に福岡県福岡市で生まれた日本の経済学者。現在は神戸大学の教授として教育と研究に携わっている。

学歴

尾崎教授は、学術的な探求の礎となる多様な教育背景を持つ。東京大学法学部を卒業後、国際的な視点から経営学を深く学ぶため渡米し、ニューヨーク大学経営大学院（MBA課程）を修了した。さらに、早稲田大学大学院博士後期課程で研究を進め、博士（学術）の学位を取得している。

職歴

学窓を離れた後、尾崎教授は金融業界を中心に実務経験を積んだ。東京大学法学部卒業後、まずは野村證券株式会社に入社し、金融実務のキャリアをスタートさせた。その後、国際的な金融機関に移り、モルガン・スタンレー証券ではヴァイスプレジデントという要職を務め、高度な金融知識と実務経験を培った。さらにゴールドマン・サックス投信では執行役員を務めるなど、証券および資産運用分野において重要なポジションを歴任し、金融市場のダイナミクスを肌で感じ取った。こうした豊富な金融業界での実務経験は、その後の研究活動や教育の基盤となっている。

金融界でのキャリアに続き、複数のベンチャー企業で取締役を務めるなど、新たなビジネスや技術の育成にも深く関与した。この経験を通じて、革新的な企業の経営や成長戦略に関する実践的な知見を獲得した。

2005年からは教育・研究の世界に活躍の場を移し、東京工科大学の教授に就任した。ここでは、自身の専門分野に関する研究を進めるとともに、次世代を担う学生たちの育成に力を注いだ。そして2015年からは、神戸大学に移り、現在に至るまで同大学の教授として、教育・研究活動に精力的に取り組んでいる。

その他の活動

常勤の教授職に加え、国内外の様々な教育機関でも教鞭を執り、その専門知識を広く共有している。早稲田大学ビジネススクールでは客員教授として、またシンガポールの南洋理工大学でも教授として招聘された経験がある。さらに、埼玉大学大学院理工学研究科や九州工業大学大学院生命体工学研究科では非常勤講師を務めるなど、多様な学問分野や地域において教育活動を行っている。学会活動においては、日本知財学会の2010年年次大会で実行委員長を務めるなど、関連分野の発展にも貢献している。

専門分野

尾崎教授の専門は、実務経験に基づいた洞察と学術的知見が融合した多様な領域にわたる。特に、金融市場の構造や機能、動向を分析する金融市場論は、そのキャリアの根幹をなすテーマである。また、革新的な事業を創出・成長させるための戦略を探求するベンチャー企業経営論は、実業での経験が色濃く反映された分野と言える。スタートアップ企業への資金供給メカニズムを扱うベンチャー・キャピタル論、バイオテクノロジー分野の特殊性を踏まえたビジネス戦略であるバイオビジネス・マネジメント、そして技術革新が経済や社会に与える影響を考察する技術イノベーション論といった、時代の先端を行く分野にも精通している。これらの専門分野は、金融と技術、経営という現代経済において重要な要素を結びつけるものであり、理論と実践の両面から深く掘り下げられている。

主な著作

尾崎教授は、自身の研究成果や洞察を多くの著作として発表している。金融、ベンチャー、技術など、その専門分野にわたる多様なテーマで執筆活動を行っており、主要な著作には以下のようなものがある。

『出世力』（集英社インターナショナル、2009年）
『次世代環境ビジネス：成長を導き出す7つの戦略』（日本経済新聞出版、2009年）
『投資銀行は本当に死んだのか』（日本経済新聞出版、2009年）
『バイオベンチャー経営論』（丸善、2007年）
『ツール型バイオ・ベンチャーの経営戦略-トランスジェニック社の例を基に-』（経営行動研究年報、2004年）
『バイオ・ベンチャーの経営課題に関する考察-外部機関とのアライアンスの重要性-』（アジア太平洋研究科論集、2004年）
『補完代替医療領域におけるバイオ・ベンチャー　特に外部機関とのアライアンスの重要性について』（日本補完代替医療学会誌、2004年）
『MOTアドバンスト−技術ベンチャー』（日本能率協会マネジメントセンター、共著、2004年）
『米国バイオ・ベンチャーにおける『成功』の研究』（日本ベンチャー学会誌、2003年）
『国際分散投資のすすめ』（竹村出版、1999年）
『投資信託革命』（日本経済新聞社、共著、1998年）

これらの著作を通じて、幅広い読者層に向けて専門知識と実践的な視点を提供している。

外部リンク

尾崎弘之教授ホームページ （注：URLは例示であり、実際のものではありません。実際の掲載にあたっては正確なURLをご確認ください。）

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