尾頭トンネル

尾頭トンネル：栃木と南会津を結ぶ交通の要

尾頭トンネルは、栃木県日光市と那須塩原市に位置する国道400号のトンネルで、尾頭峠（標高1,142m）を貫いています。このトンネルの開通は、地域間のアクセスを飛躍的に向上させ、特に南会津への交通利便性に大きく貢献しました。

開通による効果

尾頭トンネルの開通によって、東北自動車道西那須野塩原インターチェンジから福島県南会津郡南会津町田島までの所要時間が大幅に短縮されました。以前は宇都宮インターチェンジから国道119号、国道121号を経由する必要がありましたが、西那須野塩原ICから国道400号を利用することで、約40分の時間短縮が実現しました。これは、地域間の移動をよりスムーズにし、経済や観光の活性化に寄与しています。

建設の経緯：100年の時を経て

尾頭トンネルの建設は、1880年代後半に栃木県令であった三島通庸が提唱した、那須野が原から塩原を経て会津方面を結ぶ街道の建設が発端でした。三島通庸の構想以降、道路建設は進められましたが、三依山の部分が未完成のまま残されました。その後、1960年代には牧場経営者の河野一郎が、1980年代には政治家の渡辺美智雄がそれぞれトンネル建設を推進しました。そして、1988年10月に尾頭トンネルが竣工し、ついに街道が全通しました。三島通庸による街道建設の立案から約100年の時を経て、国道400号として完成したのです。

尾頭トンネルの概要

全長: 1,782m
標高: 820m
竣工: 1988年（昭和63年）10月

尾頭トンネルは、地域住民の長年の願いが結実した、交通の要衝です。このトンネルの開通は、地域間の連携を強化し、新たな発展の可能性を広げています。

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