南会津郡

南会津郡の概要

南会津郡（みなみあいづぐん）は、福島県の南西部に位置する郡で、本州で最も広い面積を持つことで知られています。郡内には、下郷町（しもごうまち）、檜枝岐村（ひのえまたむら）、只見町（ただみまち）、南会津町（みなみあいづまち）の3町1村が含まれており、豊かな自然と歴史的な景観が魅力です。

2024年11月1日現在の推計人口は21,473人、面積は2,341.53平方キロメートル、人口密度は9.17人/平方キロメートルとなっており、広大な面積に対して人口が少ない地域です。

歴史

郡発足までの沿革

南会津郡の歴史は、幕末の陸奥国時代に遡ります。当時は南山御蔵入領と呼ばれる幕府直轄地で、会津郡の一部でした。明治維新後、行政区画の変遷を経て、1879年（明治12年）に南会津郡として発足しました。この際、郡の区域は現在の3町1村の範囲で確定し、以降変更されていません。これは福島県内の郡では唯一の事例です。

発足時の郡域は、157もの村から構成されていました。これらの村々は、明治初期の行政改革により統合され、111村、99村へと再編されていきました。

明治維新から郡発足

1868年（明治元年）の会津戦争で会津藩が降伏した後、旧会津藩領は新政府の管轄となり、若松民政局が設置されました。その後、陸奥国が分割され、南会津郡は岩代国の所属となりました。1875年（明治8年）には、村の統合が進められ、111村に再編。さらに1877年（明治10年）には99村へと統合が進みました。

1879年（明治12年）1月27日、郡区町村編制法の施行により、会津郡から99村が分離し、南会津郡が正式に発足しました。郡役所は田島村に設置されました。

町村制施行以降

1889年（明治22年）の町村制施行により、南会津郡は18の村に再編されました。その後、合併や町制施行を経て、現在の3町1村の形に至ります。主な変遷としては、1896年（明治29年）に田島村が町制を施行して田島町となり、1955年（昭和30年）に田島町、檜沢村、荒海村が合併して新たな田島町が発足。同年には、楢原町、江川村、旭田村が合併して下郷町が発足しました。また、1959年（昭和34年）に只見村が朝日村を編入し、町制を施行して只見町となりました。そして、2006年（平成18年）に田島町、舘岩村、伊南村、南郷村が合併し、南会津町が誕生し、現在の郡の形となりました。

旧南会津郡役所

南会津町田島には、旧南会津郡役所が保存されています。1885年（明治18年）に建てられた洋風2階建ての建物で、当時の郡役所として使用されていました。郡制廃止後は、福島県南会津支庁・地方事務所として利用されましたが、合同庁舎建設により役目を終え、移築されました。1971年（昭和46年）には福島県の重要文化財に指定され、その後、奥会津地方歴史民俗資料館として利用されました。

行政

南会津郡の行政は、各町と村がそれぞれ独立して行っています。郡としての行政組織は存在せず、各自治体が連携して地域運営に取り組んでいます。

観光

南会津郡は豊かな自然に恵まれており、観光資源も豊富です。特に、只見町のブナ原生林や檜枝岐村の尾瀬国立公園は、多くの観光客を惹きつけています。また、歴史的な建造物や文化財も多く、歴史好きの人々にも人気があります。

南会津郡の各町村では、四季折々の美しい自然や、伝統的な祭りや文化が体験でき、訪れる人々を魅了しています。

脚注

参考文献:「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 7 福島県、角川書店、1981年3月1日。ISBN 4040010701。

旧高旧領取調帳データベース

関連項目

北会津郡

外部リンク

観光:おいでよ！南会津。

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