屋塔房

屋塔房（オクタッパン、朝: 옥탑방）とは、主に韓国で見られる、鉄筋コンクリート造のアパートなどの屋上に設置された小屋状の簡易的な居住施設です。日本語では、屋根部屋や屋上部屋と訳されます。

屋塔房の成立

通常、屋塔房は建物の建築時に設計に組み込まれることもありますが、後から増築される場合もあります。元々は、アパートなどの集合住宅の屋上には、冬季に貯水槽の凍結を防ぐための小屋が設置されていました。しかし、ブースターポンプの普及により高層階への直接給水が可能になると、貯水槽が不要となり、小屋は賃料収入のために貸し出されるようになりました。1980年代には韓国全土に普及し、一般的な住居形態として定着しました。

屋塔房のメリット・デメリット

屋上に位置するため、眺望が良いというメリットがあります。しかし、一般的な住居と比較して壁が薄く、日差しや風などの外部環境に直接晒されるため、夏は暑く冬は寒いというデメリットも抱えています。断熱性能が低いため、冷暖房費がかさむこともあります。また、屋上が共有スペースとなっている場合、他の居住者が出入りすることがあり、プライバシーやセキュリティ上の問題も懸念されます。

屋塔房の現状

上記のような厳しい環境から、賃料の高いソウルでも比較的安価で借りることができます。そのため、経済的な余裕がない若年層や低所得者層が住む住居の象徴となっています。近年では、屋塔房を舞台としたドラマや映画などの影響で、その独特な雰囲気が若者を中心に人気を集めています。屋塔房をリノベーションし、個性的な空間として楽しむ人も増えています。しかし、居住環境の改善やプライバシーの確保など、解決すべき課題も残されています。

まとめ

屋塔房は、韓国の住宅事情を反映した独特な住居形態です。手頃な賃料と眺望の良さが魅力である一方、断熱性やプライバシーには課題があります。若者や低所得者層にとって重要な住居選択肢であると同時に、韓国の文化を象徴する存在としても注目されています。

関連項目

考試院 (宿泊施設))
半地下

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