山ヶ鼻古墳

山ヶ鼻古墳について

山ヶ鼻古墳（やまがはなこふん）は、鳥取県鳥取市古海に位置する古代の墓で、古海古墳群の一環を成しています。この古墳は、形状が方墳であると推定され、周辺には他の古墳も多数存在しています。1991年3月26日に、鳥取県指定の史跡に認定されています。

位置と形状

この古墳は、鳥取県の東部、千代川下流の西岸に広がる丘陵の尾根の先端部分に築かれています。古墳群として形成された地域には、山ヶ鼻古墳に限らず、多くの他の古墳も存在し、古代の人々の埋葬習慣を物語っています。現在、墳丘自体は消失しており、元々の墳形の詳細は明確には分かっていませんが、一辺の長さが11メートルから13メートル程度の方形であったと考えられています。

埋葬施設の構造

埋葬のための施設は横口式石槨として構築されており、南方向に開いた入口を持っています。この施設は、凝灰岩を使用して造られ、前面には巨石が据えられた羨道が設けられています。このような石槨は、畿内地方に見られる典型的な特徴を兼ね備えており、特に古墳時代の終末期における地域間の関係を考察する際に非常に重要な資料となっています。

石槨の詳細

埋葬施設の主要な寸法は以下の通りです:

• - 石槨全長: 約5.1メートル
• - 石槨部: 長さ2メートル、幅1.08メートル、高さは0.71メートルから0.94メートル
• - 羨道: 長さ3.1メートル、幅1.4メートルから1.5メートル、高さは1.0メートルから1.6メートル

石槨は平らな床石の上に設置され、内部は高度に加工された蓋石で覆われています。左側には袖が付けられ、床石には蓋石を設置するための切り込みが施されています。入り口の部分は台形になっており、閉じるための板を設けるための切り込みが見受けられます。

羨道の側壁は一枚石で作られ、天井部分も巨石の一枚石で形成されています。羨道の天井材と石槨部の蓋石の接合部分には段差が設けられており、建築の工夫が見て取れます。

文化的意義

山ヶ鼻古墳は、古墳時代終末期の7世紀中頃に築造されたとされ、古墳時代の最終段階における地域間の文化交流を考える上での貴重な証拠とされています。特に、畿内地域との関連性を示す重要な事例であり、発掘調査や研究は今後も続くことでしょう。古海古墳群全体が持つ歴史的価値は非常に高く、次世代に受け継ぐべき文化遺産として大切に保護されています。

山ヶ鼻古墳は、古代の人々の豊かな歴史や文化を今に伝える重要な歴史的資産であり、その研究は私たちの理解を深める一助となるでしょう。

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