山下工業研究所

株式会社山下工業研究所（Ko-Ken Tool Co., Ltd.）

株式会社山下工業研究所、通称「山下工研」は、日本の工具メーカーとして特にソケットレンチやソケットの製造に特化しています。本社は静岡県掛川市にあり、国内外での高いシェアを誇ります。特に、215ミリメートルのような特殊なソケットも扱い、ニッチな市場において確固たる地位を築いています。

製品の特徴

山下工業研究所は、同社の製品を愛用する熱心なユーザーが多く、彼らは「コーケン信者」と称されるほどの支持を集めています。しかし、同社の製品はホームセンターなどの一般小売店に並ぶことが少ないため、一般の消費者には馴染みが薄いのが実際のところです。対照的に、ヨーロッパでは非常に高い評価を得ており、スナップオンと肩を並べる高級工具メーカーとして認識されています。その人気の高さから、一時期は偽物やコピー商品が出回る事態にも直面しました。

同社の製品は、たとえばフォーミュラ1の日本グランプリが開催される際に、海外チームのメカニックたちによって買い求められるなど、非常に人気があります。国内外の販売比率を見ると、日本国内での販売が30%に対し、国外向けは70%にも及ぶという実績を示しています。

主な製品

同社の製品にはいくつかの独自の特長を持った商品があります。「サーフェースソケット」では、面で力を捉えることにより高いトルクを伝達することが可能であり、「ナットグリップソケット」はスチールボールを使用しボルトやナットを保持し、マグネットを排除した設計が施されています。また、空転トルクが軽い「フラップ式ラチェットハンドル」も好評です。

沿革

創業者の山下宗一郎は1889年に静岡県城東郡に生まれ、幼少期から技術に興味を持つようになりました。1907年に上京し、英語学校で学んだ後、アメリカに渡り自動車学校を卒業します。その後、フォード・モーターに勤務し、1925年に日本に帰国。1940年には山下工業研究所を設立しました。

戦後は静岡県小笠郡佐束村で本格的に創業し、1970年代から年次にわたり社長が代替わりしてきました。1999年には昭一朗が会長に、2009年からは山下大介が5代目社長に就任。2019年には内藤孝道が6代目社長となり、現在も発展を続けています。

総括

山下工業研究所は、高品質の工具製造において長年の経験と技術力を活かし、国内外で支持されている信頼のブランドです。専門性の高い製品群は、プロフェッショナルや愛好者にとって欠かせない存在であり、今後のさらなる成長に期待が寄せられています。

もう一度検索