山下龍二

山下 龍二（やました りゅうじ）

山下龍二（1924年9月14日 - 2011年3月23日）は、中国哲学を専門とした日本の学者であり、名古屋大学の名誉教授でした。彼は、多岐にわたる研究や著作を通じて、日本における中国哲学の発展に寄与した重要な人物です。

略歴

山下は東京に生まれました。彼の父親、山下博章は弁護士として活動し、日本大学で教師を務めていました。教育を受けた環境から、山下は早くから学問に対する関心を持ち、1943年には東京府立高等学校を卒業します。その後、1947年に東京帝国大学の文学部に進学し、支那哲学文学科で学びました。1952年には大学院の特別研究生に進み、研究を続けましたが、満期退学となります。

学業を終えた後、1954年には法政大学の教諭としてキャリアをスタートさせ、1957年に名古屋大学文学部の講師に就任しました。1961年には助教授、1968年には教授に昇進し、名古屋大学文学部の部長も務めました。1988年に退官後は名誉教授となり、その後名古屋学院大学でも教鞭を執りました。また、1989年から1992年までは外国語学部長としても活躍しました。

研究業績と著書

山下は中国哲学、とりわけ陽明学や朱子学に関する研究で知られています。彼の著作は、日本における中国思想の理解を深めるために重要な位置を占めています。代表的な著書には以下のものがあります。

• - 『陽明学の研究 上　成立編』 1971年
• - 『陽明学の研究 下　展開編』 1971年
• - 『王陽明 - 百死千難に生きる』 1984年
• - 『朱子学と反朱子学 日本における朱子学批判』 1991年
• - 『陽明学の終焉』 1991年
• - 『儒教と日本』 2001年
• - 『いま『論語』に学ぶ』 2007年

また、彼は他の著者とともに共著や編著も数多く手掛けており、近世・現代の中国思想史を論じた『中国思想史 下　近世・現代』などもあります。さらに、山下は自らの研究に基づいた注解書として『全釈漢文大系 3　大学・中庸』を1974年に出版しています。

影響と遺産

山下の研究は、現代においても多くの学者や学生に影響を与え続けています。中国哲学に関する彼の見識は、歴史的文脈だけでなく、人間の道徳や倫理にも深く結び付いています。そのため、彼の著作は哲学の学びにおける重要な資源として広く引用されています。

山下龍二は、名古屋大学や名古屋学院大学での教育活動を通じて、次世代の学者たちに中国哲学の深奥を伝える役割も果たしました。彼の死後も、彼の思想や研究は中国哲学の研究における根幹の一つとして生き続けています。

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