山中亮平

山中亮平：才能と挫折、そして復活の物語

1988年生まれのラグビー選手、山中亮平選手は、コベルコ神戸スティーラーズに所属し、日本代表として国際舞台でも活躍しています。大阪府大阪市出身の山中選手は、14歳からラグビーを始め、東海大学付属仰星高校では全国高校大会優勝を経験。早稲田大学時代には副将を務め、大学生ながら日本代表に選ばれるなど、順風満帆なキャリアを歩み始めました。

2010年には、アジア5カ国対抗で日本代表として初キャップを獲得。早稲田大学時代のチームメイトには、後にトップリーグで活躍する選手も多く名を連ねています。

2011年には神戸製鋼（現コベルコ神戸スティーラーズ）に入団し、同年開催のラグビーワールドカップ日本代表候補にも選出されるなど、将来を嘱望されていました。しかし、同年4月、強化合宿中の薬物検査で陽性反応を示し、大きな転機を迎えます。

この陽性反応は、育毛剤の使用が原因だったと報道され、山中選手は「口髭を生やすために育毛剤を使用してしまった」と説明。国際ラグビー評議会から2年間の選手資格停止処分を受け、一時的に神戸製鋼を退団することとなりました。

解雇も覚悟した山中選手でしたが、当時の神戸製鋼GMであった平尾誠二氏の計らいで社員として残ることができ、復帰への道を模索。2年間の期間を経て、2013年に神戸製鋼へ復帰を果たしました。

その後も、2015年のラグビーワールドカップではバックアップメンバーに選出、サンウルブズにも選ばれるなど、着実に経験を積み重ねていきます。2019年のラグビーワールドカップでは日本代表メンバーとして選出され、世界の舞台で活躍。

2021年以降も日本代表として活躍を続け、2023年ワールドカップ直前合宿にも参加。代表入りが濃厚と見られていましたが、最終的には落選。複数ポジションをこなせる選手が求められたという理由が、落選の要因として挙げられました。

ワールドカップ本選と同時期に行われた2023年秋季バーバリアンズのメンバーに選ばれ、イングランドなどで3試合に出場。その最中、日本代表のセミシ・マシレワ選手が負傷離脱したことに伴い、同年9月18日、追加招集という形で、再び日本代表に合流するというドラマチックな展開を見せました。

常に全力でラグビーと向き合い、数々の困難を乗り越えてきた山中選手。スタンドオフとフルバックのポジションをこなす高いスキル、そして持ち前の明るさとユーモアのある人柄は、チームメイトやファンから愛されています。動物の生態に詳しく、お笑い好き、そして「パピコ好き」としても知られるなど、ピッチの外でも多くの魅力を持つ山中選手。彼の今後の活躍にも目が離せません。

主な経歴

1988年：大阪府大阪市に生まれる
東海大学付属仰星高校：全国高校大会優勝
早稲田大学：副将、日本代表
2011年：神戸製鋼入団
2011年：薬物検査陽性による資格停止処分
2013年：神戸製鋼復帰
2015年：ラグビーワールドカップ2015 バックアップメンバー
2019年：ラグビーワールドカップ2019 日本代表
2023年：ラグビーワールドカップ2023 追加招集

人物像

ニックネーム：山ちゃん、ヤマナックス
ポジション：スタンドオフ、フルバック
趣味：トップリーグハイライト鑑賞、動物観察
好物：パピコ

関連事項

東海大学付属仰星高等学校・中等部
早稲田大学ラグビー蹴球部
コベルコ神戸スティーラーズ
木津武士（東海大仰星時代の同級生）
藤春廣輝（サッカー日本代表、東海大仰星時代の同級生）

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