山代之大筒木真若王

山代之大筒木真若王（やましろのおおつつきまわかのみこ）は、生没年不詳の古墳時代の皇族（王族）です。『古事記』において、その存在が伝えられています。

出自と家族

真若王は、彦坐王（ひこいますのみこ）を父とし、袁祁都比売命（おけつひめのみこと）を母として生まれました。同母の兄弟には、比古意須王（ひこおすのみこ）と伊理泥王（いりねのみこ）がいます。また、開化天皇の孫であり、神功皇后の曾祖父にあたるという、皇室において重要な血筋を受け継いでいます。

結婚と子孫

真若王は、伊理泥王の娘である丹波能阿治佐波毘売（たにはのあじさはびめ）を妃とし、迦邇米雷王（かにめいかずちのみこ）を儲けました。迦邇米雷王は、後の時代において重要な役割を果たす人物です。さらに、『先代旧事本紀』「国造本紀」によれば、真若王の子孫には、但遅麻国造の祖である船穂足尼（ふなほのすくね）がいます。この船穂足尼は、彦坐王の五世孫にあたるとされています。

地名との関連

真若王の名は、地名に深く関連していると考えられています。『和名類聚抄』には、「山城国綴喜郡綴喜、豆々木」という記述があり、この「豆々木」が現在の京都府京田辺市普賢寺付近を指すとされています。京田辺市は、市制が施行される前は綴喜郡田辺町であったという歴史を持ち、この地名が真若王の存在を裏付ける重要な手がかりとなっています。

古代史における意義

山代之大筒木真若王は、古墳時代の皇族として、その血統と子孫が後の時代に大きな影響を与えた人物です。特に、神功皇后の曾祖父にあたるという事実は、古代史において重要な意味を持ちます。また、地名との関連性から、当時の社会や文化を考察する上で、貴重な情報を提供してくれます。

真若王の生涯は、詳細に記録されているわけではありませんが、『古事記』や『先代旧事本紀』といった史料を通じて、その存在が確認できます。これらの史料から、真若王が古墳時代の政治や文化に深く関わっていた可能性が示唆されます。今後、さらなる史料の発見や研究によって、真若王の人物像や業績がより明確になることが期待されます。真若王の物語は、古代史のロマンを伝える貴重な一例と言えるでしょう。

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