山倉大神

山倉大神（やまくらだいじん）

山倉大神は、千葉県香取市山倉に位置する神社です。下総国香取郡に属し、古くから地域の人々の信仰を集めてきました。

由緒

山倉大神の創建は弘仁2年（811年）に遡ります。当初は大六天王社の総社として、その歴史を刻んできました。現在の本殿は、安永7年（1778年）に再建されたものです。江戸時代までは真言宗山倉山観福寺が別当として管理していましたが、明治時代の神仏分離令により、大六天王は観福寺へ遷座。明治3年（1871年）に山倉大神と改称し、高皇産霊大神、建速須佐男大神、大国主大神を祭神として祀るようになりました。

祭礼

山倉大神の例祭は「山倉の鮭祭り」として知られ、平成17年（2005年）には千葉県の無形民俗文化財に指定されました。この祭りは、もともと旧暦霜月初卯の日に行われていた「初卯祭」が起源です。現在は12月の第1日曜日に開催されています。

祭りの中心となるのは、奉納された鮭を使った神事です。まず、奉納された鮭を塩漬けにした後、白川流包丁式によって小さい切り身に調理されます。この切り身は、祭りの当日に参詣者に分け与えられます。また、秘伝の製法で作られる「鮭の黒焼き」は、社務所に常備され、護符として頒布されます。この黒焼きは、特に風邪薬として有名で、病気や災害からの回復を願う人々に大切にされています。

この鮭の黒焼きは、諸国を巡錫していた空海（弘法大師）が、この地で流行していたインフルエンザ対策として考案したと伝えられています。この逸話からも、山倉大神が地域の人々の健康を守る上で重要な役割を果たしてきたことが伺えます。

交通アクセス

公共交通機関

JR成田線「佐原駅」から千葉交通バス「山倉」行きに乗車し、「山倉大神」バス停で下車。
JR成田線「小見川駅」からは、香取市コミュニティバス「山田循環バス」も利用可能です。

自動車

東総有料道路の終点手前、香取市大角から千葉県道114号八日市場山田線を八日市場方面へ約1.7km進むと到着します。

境内の風景

山倉大神の境内は、豊かな自然に囲まれ、静かで落ち着いた雰囲気です。参拝者は、四季折々の風景を楽しみながら、心静かに神様へ祈りを捧げることができます。

参考文献

『全国神社名鑑 上巻』全国神社名鑑刊行会史学センター、昭和52年。
『角川日本地名大辞典 12 千葉県』角川日本地名大辞典編纂委員会、昭和59年。

外部リンク

山倉大神 本殿／まるごとe! ちば －千葉県公式観光物産サイト－
千葉県の文化財 (香取市) 山倉の鮭祭り
山倉の鮭祭り－香取市観光公式サイト

山倉大神は、その歴史と文化、そして地域の人々の信仰が息づく、訪れる価値のある神社です。

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