山内テツ
山内テツ（本名：山内 哲夫）は、1946年10月21日に福岡県福岡市で生まれた、日本のロック音楽家であり、ベーシストです。特に1970年代にイギリスの著名なロックバンド、フリー（Free）とフェイセズ（Faces）に在籍したキャリアは、日本のミュージシャンとしては極めて稀有であり、国内外で高く評価されています。
彼の音楽キャリアは、1968年にザ・マイクスへ加入したことから始まります。その後、ミッキーカーチス&サムライの一員として国外での演奏を経験するなど、着実に活動の幅を広げていきました。麻生レミのバックバンドを務めるなど、セッションミュージシャンとしても活躍しました。
転機が訪れたのは1971年4月です。初来日していたフリーのメンバー、ポール・コゾフ（ギター）とサイモン・カーク（ドラムス）とスタジオで出会い、意気投合しました。この出会いを機に、山内は単身イギリスへ渡ります。フリーは当時一時的に解散していましたが、山内はコゾフ、カーク、そしてキーボードのラビットことジョン・バンドリックと共に、Kossoff/Kirke/Tetsu/Rabbitという名義でセッションを行い、同名のアルバムを1972年に発表しました。
1972年2月、フリーはオリジナルメンバーであるコゾフ、カーク、ポール・ロジャース（ボーカル）、アンディ・フレイザー（ベース）で再結成されます。しかし、まもなくベースのフレイザーが脱退したため、その後任として山内が正式に加入しました。この再結成は、健康問題を抱えていたコゾフを支える目的もあったとされますが、残念ながらコゾフは活動を続けることが困難となり、バンドを離脱します。残されたロジャース、カーク、山内は、ラビットを再び迎え入れ、ロジャースがボーカルとギターを兼任する形で活動を継続しました。同年7月には、エマーソン・レイク・アンド・パーマーとの大規模なジョイントコンサートのため、メンバーとして二度目の来日を果たします。東京・後楽園球場（22日）と兵庫・阪神甲子園球場（24日）のステージに立ち、凱旋ライブとして大きな注目を集めました。同年10月からは新作アルバムの制作に着手し、翌1973年1月にはアルバム『ハートブレイカー』（Heartbreaker）として発表されました。このアルバムに収録され、自身も作曲に加わった楽曲「Wishing Well」はシングルカットされ、全英チャートで7位を記録するヒットとなりました。彼らはアメリカツアーも敢行しましたが、その後バンドの活動は徐々に停滞し、事実上の解散を迎えることになります。
フリーの解散後間もない1973年後半、山内は新たな活躍の場を見つけます。人気絶頂だったロックバンド、フェイセズを脱退したベーシスト、ロニー・レーンの後任として加入したのです。フェイセズでは、他のメンバー（ロッド・スチュワート、ロニー・ウッド、イアン・マクレガン、ケニー・ジョーンズ）と共に、精力的にライブ活動やレコーディングを行います。自身も作曲に名を連ねた楽曲「You Can Make Me Dance, Sing Or Anything」はシングルとして1974年に発表され、全英チャートで12位を記録しました。同年2月にはフェイセズとしての初来日公演が実現し、再び日本のファンを前に凱旋ステージに立ちました。この時期、山内がイギリス滞在中にミュージシャン組合（ユニオン）への加入問題で活動に制限が生じる可能性がありましたが、マスコミやファンからの強い支援表明が状況打開の助けとなった逸話も残っています。
1975年にフェイセズが解散を迎えると、山内は日本へ帰国します。帰国後は、自身のリーダーバンドである山内テツ&グッド・タイムズ・ロール・バンドを結成し、ライブアルバム『Live』（1977年）を発表するなど、国内での活動を再開しました。ソロ名義でのアルバム『ききょう』（1976年）のリリースや、ロックバンド、クリエイションへの参加など、多岐にわたる音楽活動を展開します。1985年には、フリージャズドラマーの羽野昌二と共同でOpe Bandを結成し、1990年まで活動を続けました。解散後も羽野との共演は続き、アルバム『デア・デヴィル』（1992年）やヴェルナー・リュディのアルバム『気』（1996年）といった作品にも参加しています。
2011年頃からは公の音楽活動から遠ざかり、2012年1月6日に原宿クロコダイルで行われたライブを除いては、フェイセズの再結成への不参加表明やメディアからの取材依頼を断るなど、一時期は音楽シーンから距離を置いて、家族との静かな暮らしを選んでいたとされています。
しかし、約10年間の沈黙を経て、2023年9月29日には横浜でのライブでステージに復帰。同年10月以降は、ギタリストの嶋田吉隆とのユニット、MEETS DUOとして、かつてライブを行った縁のある原宿クロコダイルのステージに複数回登場（2023年10月23日、2024年1月29日、6月6日など）するなど、再び精力的な音楽活動を展開し、ファンを喜ばせています。その独特のグルーヴ感と存在感あふれるベースプレイは、現在も多くのミュージシャンに影響を与えています。
彼の音楽キャリアは、1968年にザ・マイクスへ加入したことから始まります。その後、ミッキーカーチス&サムライの一員として国外での演奏を経験するなど、着実に活動の幅を広げていきました。麻生レミのバックバンドを務めるなど、セッションミュージシャンとしても活躍しました。
転機が訪れたのは1971年4月です。初来日していたフリーのメンバー、ポール・コゾフ（ギター）とサイモン・カーク（ドラムス）とスタジオで出会い、意気投合しました。この出会いを機に、山内は単身イギリスへ渡ります。フリーは当時一時的に解散していましたが、山内はコゾフ、カーク、そしてキーボードのラビットことジョン・バンドリックと共に、Kossoff/Kirke/Tetsu/Rabbitという名義でセッションを行い、同名のアルバムを1972年に発表しました。
1972年2月、フリーはオリジナルメンバーであるコゾフ、カーク、ポール・ロジャース（ボーカル）、アンディ・フレイザー（ベース）で再結成されます。しかし、まもなくベースのフレイザーが脱退したため、その後任として山内が正式に加入しました。この再結成は、健康問題を抱えていたコゾフを支える目的もあったとされますが、残念ながらコゾフは活動を続けることが困難となり、バンドを離脱します。残されたロジャース、カーク、山内は、ラビットを再び迎え入れ、ロジャースがボーカルとギターを兼任する形で活動を継続しました。同年7月には、エマーソン・レイク・アンド・パーマーとの大規模なジョイントコンサートのため、メンバーとして二度目の来日を果たします。東京・後楽園球場（22日）と兵庫・阪神甲子園球場（24日）のステージに立ち、凱旋ライブとして大きな注目を集めました。同年10月からは新作アルバムの制作に着手し、翌1973年1月にはアルバム『ハートブレイカー』（Heartbreaker）として発表されました。このアルバムに収録され、自身も作曲に加わった楽曲「Wishing Well」はシングルカットされ、全英チャートで7位を記録するヒットとなりました。彼らはアメリカツアーも敢行しましたが、その後バンドの活動は徐々に停滞し、事実上の解散を迎えることになります。
フリーの解散後間もない1973年後半、山内は新たな活躍の場を見つけます。人気絶頂だったロックバンド、フェイセズを脱退したベーシスト、ロニー・レーンの後任として加入したのです。フェイセズでは、他のメンバー（ロッド・スチュワート、ロニー・ウッド、イアン・マクレガン、ケニー・ジョーンズ）と共に、精力的にライブ活動やレコーディングを行います。自身も作曲に名を連ねた楽曲「You Can Make Me Dance, Sing Or Anything」はシングルとして1974年に発表され、全英チャートで12位を記録しました。同年2月にはフェイセズとしての初来日公演が実現し、再び日本のファンを前に凱旋ステージに立ちました。この時期、山内がイギリス滞在中にミュージシャン組合（ユニオン）への加入問題で活動に制限が生じる可能性がありましたが、マスコミやファンからの強い支援表明が状況打開の助けとなった逸話も残っています。
1975年にフェイセズが解散を迎えると、山内は日本へ帰国します。帰国後は、自身のリーダーバンドである山内テツ&グッド・タイムズ・ロール・バンドを結成し、ライブアルバム『Live』（1977年）を発表するなど、国内での活動を再開しました。ソロ名義でのアルバム『ききょう』（1976年）のリリースや、ロックバンド、クリエイションへの参加など、多岐にわたる音楽活動を展開します。1985年には、フリージャズドラマーの羽野昌二と共同でOpe Bandを結成し、1990年まで活動を続けました。解散後も羽野との共演は続き、アルバム『デア・デヴィル』（1992年）やヴェルナー・リュディのアルバム『気』（1996年）といった作品にも参加しています。
2011年頃からは公の音楽活動から遠ざかり、2012年1月6日に原宿クロコダイルで行われたライブを除いては、フェイセズの再結成への不参加表明やメディアからの取材依頼を断るなど、一時期は音楽シーンから距離を置いて、家族との静かな暮らしを選んでいたとされています。
しかし、約10年間の沈黙を経て、2023年9月29日には横浜でのライブでステージに復帰。同年10月以降は、ギタリストの嶋田吉隆とのユニット、MEETS DUOとして、かつてライブを行った縁のある原宿クロコダイルのステージに複数回登場（2023年10月23日、2024年1月29日、6月6日など）するなど、再び精力的な音楽活動を展開し、ファンを喜ばせています。その独特のグルーヴ感と存在感あふれるベースプレイは、現在も多くのミュージシャンに影響を与えています。
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