山内昌之

山内 昌之について

基本情報

山内昌之（やまうちまさゆき）は、1947年8月30日生まれの日本の歴史学者です。彼は主に中東・イスラーム地域研究及び国際関係史を専門とし、東京大学名誉教授として知られています。出身は北海道小樽市で、学術活動のほか、実業界にも幅広く影響を及ぼしています。

学歴と経歴

山内は、北海道小樽潮陵高等学校を卒業後、北海道大学に進学します。在学中は、社会主義学生同盟に参加し学生活動を行いました。1971年に卒業し、その後北海道大学大学院文学研究科に進みますが、1976年に博士課程を単位取得退学します。

1978年から1980年までエジプトのカイロ大学にて客員助教授を務め、その後1982年に東京大学教養学部助教授として就任しました。1993年には、東京大学大学院総合文化研究科の教授になり、特に地域文化研究において顕著な業績を上げています。

国際的な活動

山内は国内での学術活動に留まらず、1992年から1993年にはハーバード大学の客員研究員としても活躍しました。彼はさまざまな国際研究機関や大学で客員教授の職を兼任しており、カイロ大学やムハンマド五世大学でもその役割を果たしています。

また、実業界でも著名な実績があります。三菱商事やフジテレビジョンの顧問、富士通フューチャースタディーズ・センターの特別顧問として貢献し、読売新聞では客員研究員として活動しています。特に外交問題に対する知見は高く評価され、小泉純一郎首相の私的諮問機関「対外関係タスクフォース」の委員としても活動しました。

受賞歴

彼の研究成果は数多くの賞で認められています。1984年には『現代のイスラム』で発展途上国研究奨励賞、1987年には『スルタンガリエフの夢』でサントリー学芸賞を受賞。さらに2006年には紫綬褒章を受章しました。

政府関連活動

山内は内閣官房や文部科学省、外務省などの審議会や研究会に委員として参加し、実際の政策立案にも貢献しています。安心社会実現会議や文化審議会などの重要な機関での役割を持ち、また日中歴史共同研究委員会や日韓歴史共同研究委員会にも関与しています。

大相撲への関与

最近では大相撲に関する会議の会長としても知られており、特に横綱引退時の年寄名の授与について意見を表明しました。2023年には横綱審議委員会の委員長に就任し、大相撲の現状への深入りした見解を述べています。

家族と私生活

山内は家庭についても興味深い経歴を持っています。長年の伴侶であった山内靖子は2008年に急逝しましたが、2012年には新たに三井理恵と結婚しました。彼の弟も歴史学者として活躍しており、一橋大学の学長を務めています。

著作

彼の著作も多岐にわたります。特に『嫉妬の世界史』や『第3次世界大戦の罠』などの著作は国際情勢に対する鋭い洞察を提供しており、幅広い読者から支持されています。さらに、彼は様々な雑誌や新聞でコラムを執筆し、文化芸術に関しても深い理解を示しています。

結論

山内昌之は日本における中東・イスラーム地域研究の第一人者として、学術界だけでなく実業界においても多大な影響を与え続けています。彼の研究成果と活動は、国際的な視点から日本の文化と歴史を深める助けとなっているのです。

もう一度検索