山内神社

山内神社の概要

山内神社は、高知県高知市に鎮座する神社で、土佐藩の初代藩主である山内一豊公、その夫人である見性院（千代の方）、そして土佐藩の歴代藩主を祀っています。この神社は、かつては別格官幣社という高い社格を有していましたが、現在は神社本庁などの組織に属さない単立の神社として存在しています。また、江戸時代後期から明治時代初期にかけて、各藩で藩祖を祀る神社が建立された流れの中で、山内神社もその一つとして誕生しました。

歴史

山内神社の歴史は、文化3年（1806年）に土佐藩の10代藩主である山内豊策公が、初代藩主の一豊公とその夫人である見性院、そして2代藩主の忠義公を祀るために、高知城内に藤並神社を造営したことに始まります。当時、各藩では初代藩主を神として祀る動きが盛んでした。天保6年（1835年）には、藤並神社は「藤並大明神」という神号を授けられました。

明治4年（1871年）には、土佐藩の最後の藩主であり、初代藩知事となった山内豊範公が、藤並神社の御旅所であった現在の場所に山内神社を創建しました。この時、3代藩主の忠豊公から14代藩主の豊惇公までの霊が祀られました。しかし、翌年の明治5年（1872年）には、山内神社は高知県庁に引き渡され、村社へと格下げされました。

昭和7年（1933年）になると、15代藩主の豊信公（容堂公）と16代藩主の豊範公の明治維新における功績を称えるため、新たな神社を造営する計画が持ち上がりました。その結果、山内神社に祀られていた歴代藩主の霊は藤並神社に移され、新たな社殿が建設されました。昭和10年（1935年）4月には、豊信公と豊範公を祀る「別格官幣社山内神社」が創建されました。

しかし、昭和20年（1945年）には、戦火によって両神社ともに焼失してしまいました。その後、仮の社殿で祭祀が行われていましたが、昭和45年（1970年）に社殿が再建され、藤並神社も合祀されました。これにより、土佐藩の歴代藩主全てを祀る神社として、現在の山内神社が成立しました。さらに、平成2年（1990年）には、高知城内にあった熊野社、春日社、住吉社の三社が境内に遷座されました。

周辺情報

山内神社の周辺には、以下の施設や場所があります。

旧山内家下屋敷長屋（隣接）
土佐山内家宝物資料館（隣接）
鏡川（隣接）
旧山内家下屋敷長屋（国の重要文化財）
高知市立龍馬の生まれた町記念館

関連図書

山内神社に関するより詳しい情報を得るための書籍として、以下のようなものがあります。

『勤王事蹟別格官幣社精史』 (二六興信所編纂、山田米吉編、1935年) (国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧可能)
『神社辞典』 (白井永二・土岐昌訓編集、東京堂出版、1979年)

関連項目

土佐山内氏

外部リンク

* 山内神社（公式サイト）

これらの情報を通じて、山内神社の歴史や文化的な価値、周辺の観光スポットなどについて理解を深めることができます。

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