山内豊策

山内豊策について

山内豊策（やまうち とよかず）は、江戸時代後期の大名であり、土佐藩の第10代藩主を務めました。彼は、公家の三条実美の外祖父としても知られています。

生涯

1773年、第9代藩主・山内豊雍の長男として生まれました。幼少の頃からその才能を発揮し、1785年には将軍徳川家治に謁見。1787年には従四位下筑後守に叙任されました。1789年に父の死去に伴い家督を継ぎ、土佐藩主となります。同年には侍従にも任官しました。

藩主としては、文治を奨励し、藩校である教授館の拡充に尽力しました。また、塙保己一による『群書類従』の編纂事業にも協力するなど、文化的な事業にも関心を示しました。しかし、1797年には郷士の高村退吾殺害事件をきっかけとした郷士騒動が発生し、藩の身分制度が動揺するきっかけとなりました。

1808年、家督を長男の豊興に譲って隠居し、木工頭と称しました。その後、1825年に53歳で死去しています。

藩政と文化への貢献

山内豊策は、藩政において文治を重視し、藩校の拡充や人材育成に力を注ぎました。また、文化事業にも関心を寄せ、『群書類従』の編纂を支援するなど、学問や文化の発展に貢献しました。しかし、その治世下では、郷士騒動が起こり、藩の身分制度が大きく揺れ動くという事態も経験しました。この騒動は、後の土佐藩に大きな影響を与えることとなりました。

系譜

山内豊策は、多くの子供に恵まれました。8人の男子と7人の女子がおり、その中には、後の黒田家を継いだ黒田長元や、山内家を継いだ山内豊資などがいます。また、娘の一人は、公家の三条実万に嫁ぎ、その子が後の明治維新で活躍する三条実美となります。

父: 山内豊雍（1750-1789）
母: 友子（1749-1780） - 毛利重就の三女
正室: 順 - 藤堂高嶷の娘
五男: 黒田長元（1811-1867） - 黒田長韶の養子
側室: 児玉氏
長男: 山内豊興（1793-1809）
側室: エイ - 増井氏
次男: 山内豊資（1794-1872） - 山内豊興の養子
側室: 山村氏
側室: 西宮氏
側室: 美濃辺氏
生母不明の子女
三男: 山内豊道（1795-1862）
四男: 山内豊著
六男: 山内豊栄
女子: 厚 - 稲葉正発正室
女子: 眉寿 - 三条実万正室
女子: 孝 - 木下利愛正室
五女: 徳 - 藤堂高聴正室
女子: 兎見 - 立花万寿丸婚約者



山内豊策は、土佐藩の歴史において重要な役割を果たした人物であり、その生涯は、藩政、文化、そして家族関係など、多岐にわたる側面から捉えることができます。

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