山内豊誉

山内豊誉は、天保12年（1841年）に生まれ、慶応3年（1867年）に25歳で亡くなった、幕末期の土佐藩家老です。東邸山内家の2代目当主であり、通称は民部、兵庫と名乗りました。父は土佐藩12代藩主の山内豊資の弟にあたる山内豊著であり、土佐藩主山内容堂の実弟という立場でした。

1861年（文久元年）、土佐勤皇党を結成した武市瑞山が、藩の重鎮であった吉田東洋と対立すると、山内豊誉は同じく東邸山内家の山内豊栄とともに瑞山を支持しました。彼らは東洋の排斥を図りますが、これは成功しませんでした。その後、瑞山らが東洋を暗殺するという事件が起こり、土佐藩内は混乱状態に陥りました。豊誉は、この混乱を収拾するために動き、保守派政権を樹立させました。

1862年（文久2年）、藩主の山内豊範が上洛し、江戸への参勤交代を行うことで、土佐藩は雄藩として存在感を示すようになります。この頃、武市瑞山は志士たちの間で大きな影響力を持つようになりました。しかし、1863年（文久3年）の八月十八日の政変によって、容堂が藩の実権を握ると、瑞山は投獄され、豊誉の立場も大きく変動しました。

時代の流れに翻弄され、豊誉は「奸徒跋扈し、事皆空しく」という漢詩を詠み、自身の悶々とした心情を表現しました。そして、慶応3年（1867年）2月20日、志半ばでこの世を去りました。

明治31年（1898年）、その功績が認められ、従四位を追贈されました。

参考文献
『高知県人名事典』高知市民図書館、1970年。

外部リンク
贈従四位山内兵庫勤王烈士伝、萩原正太郎 頒功社、明39.4

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