山内静夫 (映画プロデューサー)

山内静夫: 映画界の功労者

基本情報

山内静夫（やまのうち しずお、1925年6月13日 - 2021年8月15日）は、日本の著名な映画プロデューサーであり、鎌倉市出身です。彼は特に松竹の映画製作において、その才能を発揮しました。彼の家族は文才に恵まれ、父は小説家の里見弴であり、その環境が彼の形成に影響を与えました。

学歴とキャリアの始まり

山内は旧制湘南中学校を卒業後、1948年に慶應義塾大学経済学部を卒業しました。卒業後は松竹大船撮影所に入社し、小津安二郎監督の映画製作に従事しました。彼は小津監督の映画に深く関わり、1956年には『早春』の製作を手掛けました。次いで1958年には父の原作による『彼岸花』、さらに1960年の『秋日和』、1962年の『秋刀魚の味』など数々の作品をproducedしました。

テレビや映画界での影響

さらに、1966-67年には東京放送（現在のTBSテレビ）で放送された『泣いてたまるか』のプロデューサーも務め、テレビドラマの制作にも貢献しました。1969年には映画『男はつらいよ』の第1作でエキストラとして出演し、様々な形で映画界に関与していました。

著名な職務と公職

1978年には松竹の取締役に就任し、1992年からは鎌倉ケーブルコミュニケーションズの代表取締役社長を務め、2004年には会長職を退任しました。同年、鎌倉文学館館長に就任し、2012年までその職を全うしました。彼は映画業界の発展に尽くし続ける傍ら、鎌倉市の芸術文化振興にも力を入れ、2006年には鎌倉市芸術文化振興財団の理事長になりました。

文学活動と文化振興

彼はまた、親族の足跡や文化的な資料を広めるため、2000年に鹿児島県川内市へ有島武郎に関連する354点の資料を寄贈しました。その中には「安城家の兄弟」や「風炎」の原稿が含まれ、2004年に開館した川内まごころ文学館で保存展示されています。さらに、2007年には初めて両親について語る『八十年の散歩』を出版し、彼の思い出や映画製作の秘話を伝えました。

最後の活動と死去

2019年にはエッセー集『かまくら谷戸の風』を刊行し、同年に鎌倉で開催された出版パーティーには多くの関係者が参加しました。また、2020年には「鎌倉ロケーションサービス」の名誉顧問に就任し、映画の振興に引き続き貢献しました。2021年8月15日、96歳で老衰により逝去。上映される機会が多かった山内の作品や活動が、今もなお多くの人々に影響を与え続けています。

追悼の意

彼の功績を称え、2022年には鎌倉市の川喜多映画記念館で「追悼・山内静夫 松竹大船撮影所物語」が開催され、彼の偉大な業績が振り返られました。映画人としての彼の存在は、映画界において忘れ難いものとなっています。

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