鎌倉文学館

鎌倉文学館：文学と歴史が息づく洋館

鎌倉文学館は、神奈川県鎌倉市長谷に位置する文学館です。鎌倉にゆかりのある文学者たち、特に「鎌倉文士」に焦点を当てた展示を行っています。残念ながら、大規模改修のため2023年4月から2027年3月まで休館となっています。

概要

鎌倉は、豊かな自然と歴史的な背景から、明治時代以降多くの文学者が居を構え、創作活動の拠点としていました。川端康成、夏目漱石、芥川龍之介、与謝野晶子など、300人以上の文学者が鎌倉にゆかりを持っています。常設展では、これらの作家たちの直筆原稿、手紙、愛用品などが展示され、彼らの足跡を辿ることができます。

建物と庭園

現在の建物は、元侯爵 前田利為が1936年（昭和11年）に洋風に全面改築したものです。設計は渡辺栄治、施工は竹中工務店が担当しました。この建物は、1890年頃に侯爵 前田利嗣の鎌倉別邸として建てられましたが、1910年（明治43年）に火災で焼失した後に再建されたものです。

戦後の一時期には、デンマーク公使や内閣総理大臣 佐藤栄作の別荘としても使用されました。1983年に前田利建から鎌倉市に寄贈され、外観はそのままに内部の補修と収蔵庫の新築が行われ、1985年（昭和60年）10月31日に開館しました。

2000年（平成12年）4月28日には、国の登録有形文化財に登録されています。文学館の正面には美しいバラ園が広がり、毎年5月から6月にかけて「バラまつり」が開催され、多くの人々で賑わいます。

近隣情報

近隣には、同じく鎌倉ゆかりの作家である吉屋信子の記念館があります。文学館と合わせて訪れることで、鎌倉の文学的な魅力をより深く感じることができるでしょう。

吉屋信子記念館
所在地：神奈川県鎌倉市長谷1丁目5番3号
駐車場：なし

歴代館長

鎌倉文学館は、以下の館長によって運営されてきました。

初代：永井龍男（1985年 - 1990年）
2代：清水基吉（1990年 - 2004年）
3代：山内静夫（2004年 - 2012年）（里見弴四男）
4代：富岡幸一郎（2012年 - ）

アクセス

電車：江ノ島電鉄線「由比ヶ浜駅」下車徒歩7分
バス：鎌倉駅から「藤沢・大仏方面行き」で「海岸通り」下車徒歩3分

鎌倉文学館が登場する作品

鎌倉文学館は、様々な作品の舞台やモデルとしても登場しています。

カラマーゾフの兄弟 (テレビドラマ)：主な舞台となる「黒澤邸」の外観として登場。
青い花 (漫画)：正門と裏門が作中の「藤が谷女学院」の校門のモデル。
TARI TARI (テレビアニメ)：登場人物の一人の住む豪邸として登場。
春の雪 (小説)：作中の松枝家の別荘（前田家の別荘）のモデル。
ミステリと言う勿れ：登場人物である犬堂我路の家として登場。

まとめ

鎌倉文学館は現在休館中ではありますが、再開館後にはぜひ訪れたい場所です。文学に興味がある方はもちろん、歴史的な洋館や美しい庭園を楽しみたい方にもおすすめです。鎌倉の豊かな文化に触れることができる、魅力的なスポットです。

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