山北宣久

山北宣久（やまきた のぶひさ）

山北宣久氏は、1941年（昭和16年）4月1日に東京都で生まれた、日本の著名なキリスト教牧師です。

経歴

立教大学文学部でキリスト教学を専攻した後、東京神学大学大学院に進み、神学の学びを深めました。その後の歩みとして、1975年には日本基督教団聖ヶ丘教会の牧師に就任し、長きにわたりその任にあたり、2011年に退任しました。

氏の経歴において特筆すべきは、日本基督教団の要職を歴任したことです。2002年には同教団の総会議長に選ばれ、その後2010年までの8年間、実に4期にわたりその重責を担いました。総会議長在任中には、日本の宗教界における連携にも積極的に関わり、日本宗教連盟の理事長も務めています。

総会議長としての任期中の重要な出来事として、2010年1月26日には、特定の教団常議員牧師に対し、教団の歴史において前例のない厳しい免職という戒規処分を下したことが挙げられます。これは、教団の規律と指導者の責任を示す出来事として、広く知られています。

また、キリスト教界だけでなく教育界においても重要な役割を果たしました。2010年には青山学院の院長に就任し、2014年6月末までその職を務め、キリスト教教育の発展に貢献しました。

これらの公的な活動に加え、日本におけるプロテスタント宣教の歴史的な節目にも関わっています。2009年の日本プロテスタント宣教150周年記念大会では実行委員長を務め、翌2010年には世界宣教東京大会の名誉会長を務めるなど、国内外における宣教協力や交流の推進にも尽力しました。現在は、日本宗教連盟の理事として活動を続けています。

人物

山北氏の指導者としての歩みやその言動に対しては、様々な評価が存在します。彼の活動は多くの支持を得る一方で、批判的な見解も聞かれるなど、その評価は必ずしも一定ではありませんでした。時には、外部からの様々な困難や試練に直面したこともあったとされています。

特定の神学的な立場や教派との関係においても、関心が寄せられることがあります。例えば、キリスト教系の新宗教として知られるセブンスデー・アドベンチスト教会に対して、自身の著作の中で肯定的な表現を用い、兄弟姉妹といった言葉で言及するなど、一定の親近感や理解を示す姿勢も見られました。

著書

牧師、教育者、そして教団指導者としての経験に基づき、数多くの著書を出版しています。その著作は、信仰生活、伝道、キリスト教の基礎知識など、幅広いテーマに及んでいます。代表的な単著には以下のようなものがあります。

『昨日も今日もいつまでも』（横手聖書学舎、1990年）
『みこゝろを地に』（横手聖書学舎、1990年）
『福音のタネ笑いのネタ』（教文館、2000年）
『おもしろキリスト教 Q&A77』（教文館、2001年）
『それゆけ伝道 元気の出るエッセイ100』（教文館、2002年）
『愛の祭典 クリスマスアンソロジー』（教文館、2003年）
『きょうは何の日？ キリスト教365日』（教文館、2003年）
『福音と笑いこれぞ福笑い』（教文館、2004年）
『おもしろキリスト教質問箱「Q&A77」』（教文館、2006年）
『天笑人語』（日本キリスト教団出版局、2015年）
* 『一笑懸命』（日本キリスト教団出版局、2015年）

これらの著作を通して、氏の信仰理解やユーモアを交えた語り口に触れることができます。牧師としてのメッセージや、一般の人々にも分かりやすいキリスト教の解説など、多角的な視点から執筆活動を行っています。

山北宣久氏は、日本基督教団における重要な指導者の一人として、また教育者としても、長年にわたり日本のキリスト教界に影響を与えてきた人物と言えるでしょう。

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