山口しのぶ

山口しのぶの人物像

山口しのぶは、日本の教育経済学者であり、国際公務員としても活躍しています。専門は国際協力論であり、特に教育経済学の分野で高い専門性を有しています。現在は、東京工業大学環境・社会理工学院の教授と、国連大学サステイナビリティ高等研究所の所長を兼務しています。

学歴と職歴

1980年に福岡県立筑紫高等学校を卒業後、青山学院大学文学部英文科に進学し、1984年に卒業しました。在学中にはオレゴン州立大学文学部に留学し、帰国後、同大学の大学院に進学。1986年にスピーチコミュニケーション学の修士号を取得しました。その後、母校の文学部で専任講師として教鞭を執りながら、行政学の研究へと転じました。1991年にはオレゴン州立大学行政大学院で行政修士の学位を取得しています。

その後、コロンビア大学教育大学院に進み、国際開発学科の助手として勤務しながら研究を続けました。1998年には、同大学院より教育経済学の博士号を取得しました。1999年からは、青山学院大学文学部英文学科で非常勤講師として教鞭を執りました。

東京工業大学では、2002年に学術国際情報センターの助教授に就任し、2005年には学長特任補佐（国際担当）に転任、2006年より同センターの教授として現在に至ります。この間、2004年には国際連合教育科学文化機関（ユネスコ）北京事務所の国際コンサルタントを務めました。

行政との関わり

山口しのぶは、大学をはじめとする専門組織の評価にも携わっており、2007年には静岡大学の組織評価外部評価委員を務めました。2015年には大学改革支援・学位授与機構にて、国立大学法人等の研究業績を評価する専門委員会委員に就任。2016年には国立国会図書館と東京都教育委員会の外部評価委員も務めました。

文部科学省では、学術情報に関する各種委員会や作業部会に委員として参加しており、学術政策の推進にも貢献しています。具体的には、2007年に科学技術・学術審議会の学術分科会学術情報委員会、2008年には大学教育の国際化加速プログラム選定委員会、国際協力イニシアティブ推進委員会（2009年）、2011年には国際交流専門家選定委員会、文化庁の専門家交流選定委員会などに名を連ねています。2014年からは、スーパーグローバルハイスクール企画評価会議の委員も務めています。

国連機関での活動

1991年に修士号を取得後、ユネスコパリ本部教育局教育政策課の専門員として勤務しました。その後、2004年にユネスコ北京事務所の国際コンサルタント、2008年には同事務所の国際共同研究推進エキスパートに昇進。2018年からは、文部科学省の日本ユネスコ国内委員会と教育小委員会にも参加し、2019年より国際連合大学サステイナビリティ高等研究所の所長に就任しました。

日本学術会議での活動

日本学術振興会では、2012年に科学研究費委員会の専門委員として研究助成事業に携わりました。2014年には、同会の連携会員となっています。

主な研究テーマ

山口しのぶの研究テーマは多岐にわたりますが、特に科学研究費の助成を受けた研究には以下のようなものがあります。

モンゴル農村部における教育の質的向上に関する研究（国連・ユネスコプロジェクト評価からの政策提言）
モンゴル国における教員研修プログラムへの遠隔教育メディアの導入に関する研究
モンゴル僻地における遠隔教育教材の導入に関する考察（国連人間安全保障基金プロジェクトからの教訓）
開発分野におけるケースメソッドの展開と国際連携
東アジアにおける教育とICTの融合に関する研究（国連ミレニアム開発目標達成に向けて）

これらの研究成果は、国際的な教育協力や持続可能な開発の推進に貢献しています。

主な論文

山口しのぶは、単著および共著で多数の論文を発表しています。主な論文には以下のものがあります。

世界文化遺産地域開発における持続可能な開発マネージメントに関する調査・研究（2003-2004年）
開発分野における人材育成のためのケースメソッド教材の開発（2004-2005年）
Application of information communication technology promoting sustainable development of the world heritage site（2005-2007年）
東京工業大学・清華大学大学院合同プログラム--科学技術分野における日中共同人材育成を目指して（2011年）
東京工業大学からタイの高等教育機関への衛星講義配信の事例（2006年）
国際機関および大学は地球問題の解決のために何をしているのか？（2014年）
国連大学SDG大学連携プラットフォーム開設に寄せて：コロナ禍におけるSDGsの役割（2020年）

これらの論文は、教育、国際協力、持続可能な開発などの分野における重要な知見を提供しています。

まとめ

山口しのぶは、教育経済学と国際協力論の専門家として、学術界と国際社会の両方で活躍しています。教育、持続可能な開発、国際協力といった分野での研究活動を通じて、社会に大きく貢献しています。東京工業大学と国連大学での活動を通して、今後も国際的な課題解決に向けて尽力していくことが期待されます。

もう一度検索