山口城 (武蔵国)

山口城

山口城は、埼玉県所沢市山口にあった日本の城です。狭山丘陵の南斜面に位置し、柳瀬川が近くを流れています。1962年に埼玉県の旧跡に指定されました。

歴史

山口城は、平安時代末期に武蔵七党村山党の山口家継によって築かれました。以後、山口氏が代々居城としました。

南北朝時代には、山口高清が武蔵平一揆に加担し、足利氏満の上杉憲顕に攻められて落城しました。その後、高清の子である山口高治は南朝の力を借りて挙兵しましたが、再び敗北し、山口城に火を放って自害しました。

高治の子、山口高忠は上杉氏の家臣である大石氏に従い、山口城を大改修しました。しかし、元々が館であったため、近くに根古屋城を築き、城としての機能をそちらに移しました。

上杉氏が没落すると、山口氏は後北条氏に仕えましたが、1590年の小田原征伐で後北条氏が敗れたことにより、山口城は廃城となりました。

廃城後

廃城後、山口城が再び城として使われることはありませんでした。江戸時代には、敷地の大部分が開墾され、畑や住居、溜池などに変わりました。明治時代以降は、道路や鉄道が建設され、開発によってさらに多くの部分が失われました。

現在でも、周辺の地名には城があったことを示すものが残っていますが、往時の遺構は雑木林の中にわずかに残るのみです。近年になって発掘調査が行われ、所沢市教育委員会によって城跡を示す碑と案内板が設置されました。

わずかに残っていた城跡の敷地も、北西部は私有地として畑などに利用され、南東部は道路の交差点名としてその名残をとどめるのみでしたが、2000年に商業地として開発されることになりました。開発に反対する運動が起こり、その結果、敷地の一部が保存されることになりました。

現在、城跡の大部分は商業施設となっていますが、保存運動によって守られた土塁と空堀の一部が残されています。

遺構

現在は、城跡は商業施設や住宅地、畑となっており、道路によって敷地が分断されています。土塁と空堀が残っていた場所は商業施設の敷地となっており、道路沿いにわずかに土塁と空堀が残っています。

また、城跡として保存されている場所から北西の畑や林でも土塁と空堀の遺構が確認されていましたが、現在ではその痕跡を確認することは困難です。この北西部の遺構跡は私有地のため、立ち入ることはできません。

所沢市の発掘調査によると、現在の交差点付近が本丸だったと推定されています。

観光

西武狭山線下山口駅から徒歩約10分
ところバス南路線「山口城跡」停留所から徒歩約1分
埼玉県道55号線 山口城跡前交差点すぐ

脚注

関連項目

山口氏
根古屋城
中氷川神社 (所沢市)
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