山口弘佑

山口弘佑（やまぐち こうすけ）

1977年8月6日、大阪府に生まれた山口弘佑氏は、プロ野球の投手として北海道日本ハムファイターズに在籍した経験を持つ人物です。引退後は異分野である理学療法士として活躍する傍ら、学生野球の指導者資格も取得するなど、多岐にわたるキャリアを歩んでいます。

プロ入りまでの歩み

大阪府立泉州高等学校を卒業後、山口氏は奈良産業大学（現・奈良学園大学）に進学。大学時代には、後にプロで活躍する一年後輩の山井大介投手がエース格としてチームを牽引していました。山口氏自身も、四年時の大学選手権準々決勝では山井投手の救援としてマウンドに上がる経験をしています。

大学卒業後は、社会人野球の強豪、リースキン広島に入団。ここでは、チームのエースであり元プロ野球選手だった宇野雅美投手が故障したことにより、山口氏に先発投手としての機会が巡ってきます。このチャンスを活かし、好結果を残したことで、プロ野球関係者からの注目度が一気に高まりました。特に即戦力の中継ぎ投手としての評価が高まり、2001年のプロ野球ドラフト会議を前に、ドラフト候補として名前が上位に挙がるようになります。

そして迎えた2001年のドラフト会議で、山口氏は日本ハムファイターズから2位指名を受け、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせます。背番号には「11」が与えられ、球団からの期待の大きさが伺えました。

プロ野球選手としての日々

プロ入り後、山口氏は背番号11という期待を背負いましたが、最初のシーズンとなった2002年は苦難の始まりとなります。オープン戦で打ち込まれる場面が目立ち、公式戦での一軍登板はわずか2試合にとどまりました。

二年目の2003年は、開幕直後から一軍に定着する機会を得ましたが、結果を残すことができず、早期に登録を抹消されてしまいます。ファームでは、将来有望な若手選手が集まるフレッシュオールスターゲームに選出され、登板して勝利投手となる活躍を見せましたが、シーズンを通しての二軍での防御率は6点台と振るわず、安定した成績を残すには至りませんでした。

プロ入り三年目の2004年には、一度も一軍から招集されることなくシーズンを終えました。そして、シーズン終了後には球団から戦力外通告を受け、プロ野球選手としての現役生活に終止符を打つことになります。山口氏がつけていた背番号11は、翌年から後に日本のエースとなるダルビッシュ有投手に引き継がれることとなりました。

引退後の新たな挑戦

プロ野球界を離れた後、山口氏は野球への情熱を完全に失ったわけではありませんでした。奈良県を拠点とする社会人クラブチーム、一城クラブでしばらくプレーを続けます。

しかし、その後は野球とは全く異なる医療の分野へとキャリアの舵を切ります。奈良リハビリテーション専門学校に入学し、懸命な学習の末、理学療法士の国家資格を取得。卒業後、2011年からは医療法人和幸会 阪奈中央病院に勤務し、2016年からは丸太町リハビリテーションクリニックへと活躍の場を移し、理学療法士として患者の機能回復を支えています。

さらに、山口氏は再び野球界との関わりを持ち始めます。2016年には学生野球資格回復研修を受講し、翌2017年2月7日には日本学生野球協会から適性認定を受けました。これにより、アマチュアの学生野球選手に対して指導を行うことが可能となり、自身の経験を次世代に伝える道も開かれました。

プロ野球選手としては短い期間で現役を終えましたが、その後の医療分野でのキャリアチェンジや、学生野球指導への道を切り拓くなど、山口弘佑氏は野球人生で培った経験を活かし、新たな分野で貢献を続けています。

プロ野球での記録

初登板

• - 2002年10月5日、対大阪近鉄バファローズ28回戦（東京ドーム）にて、7回表に4番手で救援登板。1回2/3を投げ、1失点。

初奪三振

• - 2002年10月11日、対千葉ロッテマリーンズ27回戦（千葉マリンスタジアム）の8回裏、デリック・メイ選手から奪取。

背番号

• - 11 （2002年 - 2004年）

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