山口明夫

山口明夫：日本IBMを率いる実業家の軌跡

山口明夫（やまぐち あきお）氏は、1964年8月29日生まれの日本のシステムエンジニア、実業家です。現在は、日本アイ・ビー・エムの代表取締役社長を務める傍ら、経済同友会の副代表幹事、東京理科大学大学院経営学研究科技術経営（MOT）専攻の上席特任教授としても活躍しています。

生い立ちと学歴

和歌山県紀の川市（旧桃山町）で、桃やミカンを栽培する農家の長男として生まれた山口氏は、幼少期から自然に囲まれた環境で育ちました。和歌山県立那賀高等学校を経て、大阪工業大学工学部経営工学科（現在の情報科学部データサイエンス学科）に進学。理系の学問、特に情報技術に将来性を感じ、プログラミング言語FORTRANなどを学びました。大学時代は、経済的に苦労しながらも、様々なアルバイトを経験し、学業と両立させる日々を送りました。

日本IBMでのキャリア

1987年、大阪工業大学卒業後、恩師の推薦により日本アイ・ビー・エムに入社。当初は、ソフトウェアのカスタマーエンジニアとしてキャリアをスタートさせました。その後、IBMのグローバルな人材育成プログラムの一環として、金融機関担当のシステムエンジニアに転身。2000年には社長室経営企画担当部員、2002年にはサービス事業金融ITインフラサービス部長を歴任するなど、着実にキャリアを積み重ねました。

2004年以降は、ソフトウェア事業テクニカルセールス本部長、IBMソフトウェア事業テクニカルセールス担当役員補佐、理事グローバル・ビジネス・サービス事業次世代金融システムプロジェクト担当など、要職を歴任。2009年には執行役員グローバル・ビジネス・サービス事業アプリケーション開発事業担当、2012年には執行役員グローバル・ビジネス・サービス事業金融サービス事業担当に就任。2014年には常務執行役員としてグローバル・ビジネス・サービス事業本部サービス事業統括を担当し、2016年には専務執行役員としてアプリケーション・イノベーション・コンサルティングと統合サービスソリューション&デリバリーを統括しました。

2017年には、専務執行役員としてサービスデリバリー統括、クラウドアプリケーションイノベーション、グローバル・バンキング・サービス事業部を担当するとともに、IBMコーポレーションの経営執行委員にも選出され、グローバルな視点での経営にも携わるようになりました。同年、取締役専務執行役員グローバル・ビジネス・サービス事業本部本部長に就任。

そして、2019年には、日本人としては7年ぶりとなる代表取締役社長執行役員に就任し、日本アイ・ビー・エムの舵取りを担うことになりました。

その他の活動と人物像

山口氏は、日本アイ・ビー・エムのテニス部部長を務めるなど、スポーツにも親しんでいます。趣味はゴルフとテニスで、多忙な業務の合間を縫って体を動かすことを楽しんでいます。

2022年には、経済同友会の副代表幹事に就任し、経済界での発言力を強めています。また、東京理科大学大学院では、技術経営（MOT）専攻の上席特任教授として、次世代のリーダー育成にも力を注いでいます。

山口明夫氏は、システムエンジニアとしての専門知識、ビジネスリーダーとしての経験、そして教育者としての情熱を兼ね備えた、現代社会を代表する実業家の一人と言えるでしょう。

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