山口県道・広島県道2号岩国佐伯線

山口県道・広島県道2号岩国佐伯線

山口県道・広島県道2号岩国佐伯線は、山口県岩国市天尾から広島県廿日市市浅原に至る、両県に跨がる主要地方道です。中国地方の山間部を縫うように走り、岩国市と廿日市市を結ぶ幹線道路の一つとして利用されています。

路線概要

この路線は、山口県岩国市天尾で国道187号から分岐し、南西方向へ進路を取ります。終点は広島県廿日市市浅原で、ここでは国道186号と接続します。

総延長は26.3キロメートルであり、その大部分となる22.6キロメートルが山口県域（岩国市）に属しています。広島県域（廿日市市）の区間は約3.7キロメートルです。

路線状況

山間部を通過する特性上、一部区間では道路の改良が十分に進んでいません。特に、山口県岩国市美和町秋掛から広島県廿日市市浅原に至る県境を跨ぐおよそ3キロメートルの区間は未改良の状態であり、道幅が狭く、大型車両の通行が困難な状況となっています。この未改良区間における利便性向上のため、山口県側の区間では2022年度から新たなバイパス道路の建設事業が進められています。

また、岩国市美和町内には、本路線が山代湖沿いを進む区間を短絡する岩国市道（渋前5号線）が存在しており、地元の利用を中心に活用されています。

歴史

本路線の前身は、山口県と広島県を結んでいた旧県道である山口県道・広島県道1号周東根笠本郷線でした。この「本郷」という名称は、現在の岩国市内にあった旧玖珂郡本郷村ではなく、当時の広島県佐伯郡佐伯町浅原付近にあった小字に由来するとされています。その後、国道187号との交点を境に、南側の区間は山口県道5号周東美川線として、そして北側の区間が本路線として、それぞれ分離・再編成されました。

1993年5月11日には、旧県道の一部を含む形で、岩国佐伯線として主要地方道に指定されるに至ります。そして翌年の1994年3月15日、山口県および広島県の告示によって、現在の県道として正式に認定されました。

その後の行政区画の変更に伴い、路線の表記にも変化が生じています。2003年3月1日に佐伯郡佐伯町などが廿日市市に編入されたことで、終点の地名表記が「佐伯郡佐伯町浅原」から「廿日市市浅原」へと変更され、これにより広島県側の全区間が廿日市市内を通る路線となりました。さらに2006年3月20日には、岩国市と玖珂郡の町村（和木町を除く）が合併し新たな岩国市が発足したことで、山口県側の全区間も岩国市内を通る路線となりました。

重用区間

この路線は、岩国市天尾の起点から岩国市美和町下畑にかけて、山口県道130号本郷周東線と一部区間を共有しています。

道路施設

沿線には、山間部の地形を越えるための様々な道路施設があります。

主な橋梁には、山代湖を渡る長浴大橋や足谷橋、下畑川に架かる出合橋などがあります。

また、トンネルとして、岩国市天尾にある長原トンネル、そして岩国市天尾と岩国市美和町西畑の間にある森ヶ原トンネルなどが利用されています。

地理

本路線が通過するのは、以下の自治体です。

山口県岩国市
広島県廿日市市

両県の県境付近には市野峠があり、この路線がこの峠を越えて県境を通過しています。

沿線には、生見川ダムによって形成された山代湖をはじめ、生見川や錦川といった河川など、豊かな自然景観が広がっています。また、岩国市役所美和支所や美和ゴルフクラブなどの施設も沿線に位置しており、地域の生活やレクリエーションの場へのアクセス路としても機能しています。

関連項目

山口県の県道一覧
広島県の県道一覧

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