山室三良

山室 三良（やまむろ さぶろう）

山室三良は、1905年1月23日に長野県北佐久郡志賀村（現在の佐久市志賀）で生まれました。彼は日本を代表する中国哲学者として知られ、長い学びの軌跡を辿ります。

学歴と初期のキャリア

旧制野沢中学を卒業後、山室は九州帝国大学法文学部選科支那哲学科に進学し、そこから学位を取得しました。1933年、九州帝大の副手として研究を続ける中、彼は1934年に外務省の留学生として中国・北京に渡ります。この地で彼はその後、1936年に北京近代科学図書館の初代館長に就任し、著名な学者銭稲孫に依頼して日本文学の中国語訳を進めるという貴重な経験を積みました。

日本への帰国と学問のさらなる発展

帰国後の1947年には、九州帝国大学法文学部の助教授となり、1960年に教授に昇進。1968年には定年退官を迎えたものの、名誉教授として後進の指導にあたりました。1970年から1977年にかけては福岡大学の教授として多岐にわたる活動を行い、その後、1980年から1983年まで東海大学教授として教壇に立ちました。さらに、亜細亜大学アジア研究所でも中国思想史の研究に専念しました。

主な著作

山室は、彼の専門分野である中国哲学に関する多数の著書を残しています。主な著作には以下のようなものがあります：

• - 『儒教と老荘 中国古代における人文と超人文』（明徳出版社、1966年）
• - 『老子』（中国古典新書、明徳出版社、1967年）
• - 『中国のこころ』（創言社、1968年）
• - 『東洋的学問』（創言社、1971年）
• - 『生かされて九十年』（石風社、1995年）

また、彼は編著としても、1944年に『中国現代文読本』を北京近代科学図書館から刊行しました。このように、彼の業績は多方面にわたり、中国哲学の深化を促してきました。

家族とその影響

山室三良は家庭においても知識人家族に育ち、兄には山室次郎（中部日本新聞社社長）、弟には作家の山室静がいることでも知られています。家族全体が学問や文化に深い影響を与え合い、山室自身の学問にもその影響が色濃く表れていると言えます。

最後の年

山室三良は長い学問のキャリアを経て、1997年1月15日に92歳でその生涯を閉じました。彼の研究と著作は今もなお多くの人々に影響を与え続けています。彼の中国哲学に寄与した功績は、学問の歴史において重要な位置を占めています。

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