山岡強一

山岡 強一（やまおか きょういち）の生涯

概要

山岡強一は1940年7月15日に北海道雨竜郡沼田町で生まれた日本の映画監督および社会運動家、労働運動家です。彼は、山谷争議団のリーダーとして、日雇い労働者の権利向上に尽力し、その活動を通じて社会問題を世に知らしめました。1986年、彼は卑劣な暴力事件により命を落としましたが、その生涯は今も多くの人に影響を与えています。

若年期と教育

彼は札幌南高校を卒業しましたが、結核を患った影響で大学進学を断念せざるを得ませんでした。この療養期間中に彼は徐々に社会運動への関心を高め、北海道大学での学生運動や60年安保闘争に参加するようになります。卒業後は、札幌と帯広で業界紙の記者として活動します。

東京への移住と労働運動の開始

28歳で北海道を離れ東京に移るものの、定職を見つけることができず、サンドイッチマンや移動販売などの職を転々としながら生活をつなぎます。その際、友人と共に山谷に住むことを決め、共同生活を始めます。この地で彼は日雇い労働者としての労働条件や労使関係に直面し、本格的に労働運動への参加を決意します。

山谷現場闘争委員会の設立

1970年6月、山岡は山谷現場闘争委員会を立ち上げ、地域の労働者の権利を守るために尽力します。彼の取り組みは広がり、1980年には全国で日雇い労働者の組織化が進み、全国日雇労働組合協議会が結成されます。これにより、山谷争議団のリーダーとしての役割を果たし、労働争議の実施に奔走しました。

映画製作への関与

山岡は同時に、日雇い労働者の実情を映し出すドキュメンタリー映画『山谷─やられたらやりかえせ』の制作にも関与します。その監督である佐藤満夫が1984年に刺殺された際、山岡は恐怖に屈せず、映画の撮影を引き継ぎ、1996年には作品を完成させました。この映画は、山谷での悪徳側手配師による労働者への圧力や不正行為を告発すべく、さまざまな場所で撮影されました。

逝去と遺志

残念なことに、1986年1月13日、山岡は再び暴力に巻き込まれ、金町一家の構成員により拳銃で命を奪われることとなります。彼の死は、彼が掲げていた日雇い労働者の権利向上のための闘争をさらに強く印象付け、その後の闘争への契機となりました。

著書

山岡は自らの経験を著した本『山谷(やま) やられたらやりかえせ』を1996年に出版しており、その中で自身の苦闘や労働運動について詳しく記録しています。彼の言葉は、今なお多くの人々にとってのインスピレーションとなっています。

まとめ

山岡強一の生涯は、苦労の中での闘争を通じて、労働者の権利を守るための活動に献身的に取り組んだ一人の男の物語です。彼の行動と信念は、社会運動において多くの教訓を与えており、その足跡は人々の心に残り続けています。

もう一度検索