山岳部隊司令部 (スペイン陸軍)

アラゴン山岳部隊司令部について

アラゴン山岳部隊司令部（Jefatura Tropas de Montaña 'Aragón'、略称：JTM）は、スペイン陸軍の旅団級司令部であり、山岳戦に専門的な部隊を指揮・管理しています。この司令部はアラゴン州のウエスカ県に位置するサン・ベルナルド兵営に所在し、山岳地帯での戦闘能力を高めるために設立されました。

歴史

アラゴン山岳部隊司令部の歴史は1966年2月にさかのぼります。その当時、「高山旅団」が編成され、第51および第52師団の山岳猟兵部隊がその指揮下に置かれました。1986年には第4「ウルヘル」山岳師団の第42高山猟兵旅団に改称され、1996年のノルテ計画を経て、現在のアラゴン猟兵旅団（BRCZM）へと編成が移りました。

1990年代半ばからは、北大西洋条約機構（NATO）加盟国との協力枠組みの下で、高即応部隊としての機能が強化され、毎年国際的な演習への参加も行うようになりました。これまで、アラゴン山岳部隊はボスニア、コソボ、アルバニア、アフガニスタンにおいて5,000人以上の将兵を派遣し、平和維持活動に従事しています。

主要活動

同部隊の活動には、1980年代初頭のアラサン作戦、1981年と1995年にウエスカで開催されたユニバーシアード、1992年のバルセロナオリンピック支援、さらには1996年に発生したラス・ニエベスの大災害への対応などが含まれます。これらの経験から、部隊は多様な任務において高い専門性を養ってきました。2008年には山岳部隊司令部に改編され、アラゴンの名を冠することとなります。

2008年上半期には、欧州連合の共通安全保障防衛政策に基づく欧州連合戦闘群への参加が決定され、また同年11月から2009年3月にかけてはアフガニスタンにおいて第21次アフガニスタン派遣スペイン軍（ASPFOR XXI）に参加しました。この際、部隊は即応部隊や地方復興の活動を担い、地域の安定化に寄与しました。さらに、2009年には第24次アフガニスタン派遣スペイン軍（XXIV ASPFOR）として再度派遣されています。

編制

アラゴン山岳部隊司令部は、以下のような部隊から構成されています：

• - 部隊司令部および司令部大隊（ウエスカ県ハカ）
• - 第64山岳猟兵連隊『ガリシア』（ウエスカ県ハカ）
• - 第64山岳猟兵連隊 第1大隊『ピリネオス』（ウエスカ県ハカ）
• - 第64山岳猟兵連隊 第1スキー登攀中隊
• - 第66山岳猟兵連隊『アメリカ』（ナバーラ県アイソアイン）
• - 第66山岳猟兵連隊 第2大隊『モンテフーラ』（ナバーラ県アイソアイン）
• - 第62山岳猟兵連隊『アラピレス』（ジローナ県サン・クレメンテ・デ・サセバス）
• - 第62山岳猟兵連隊 第3大隊『バダホス』（ジローナ県サン・クレメンテ・デ・サセバス）
• - 第62山岳猟兵連隊 第4大隊『バルセロナ』（バルセロナ県バルセロナ）

アラゴン山岳部隊司令部は、スペイン陸軍の中で重要な役割を果たし、高度な訓練と活動を通じて国内外の安全保障に貢献しています。

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