山岸外史

山岸外史について

山岸外史（やまぎし がいし）は、1904年7月16日に東京で生まれ、1977年5月7日に逝去した日本の評論家です。彼は、日本の文学界で多くの影響を与えた著作や活動を行い、特に昭和初期から戦後にかけて活発に活動しました。

来歴

彼は、日本製靴の社長を務めた山岸覺太郎の息子として生まれました。幼少期から文才があったようで、第七高等学校を経て東京帝国大学文学部哲学科で学びました。大学時代には、著名な哲学者出隆に師事し、文学の世界へと進んでいくことになります。

1931年には同人誌『アカデモス』を主宰し、後の文学仲間とのつながりが深まります。1934年には『散文』を創刊し、その中で彼の特異な視点が光りました。特に、「『紋章』と『禽獣』の作家たち」という記事では、川端康成や佐藤春夫に認められるなど、次第にその名は広まりました。さらに同年、太宰治や檀一雄と共に同人誌『青い花』にも参加し、日々の交流を深めていきました。

文学的な業績

山岸は1935年に日本浪曼派の仲間となり、1939年には『人間キリスト記』を発表し、透谷文学賞を受賞します。1944年には『ロダン論』を刊行し、言論弾圧の中で山形県へ疎開しました。この頃の社会 turbulent な状況や時代背景は、彼の作品にも影響を与えました。戦後は日本共産党に入党し、風刺的な文体で社会問題に目を向ける姿勢を崩しませんでした。

また、彼の著作『人間キリスト記 或いは神に欺かれた男』は太宰治に大きな影響を与え、特に後者の著書『人間太宰治』では、太宰の作品に対する鋭い指摘が話題となりました。ここでは、太宰の短篇『二十世紀旗手』に付されたエピグラフが、彼のいとこである寺内寿太郎の詩を基にしたものであることを明らかにしました。このことで、文学界における盗作問題が浮上し、寺内はショックを受けたと言われています。

晩年と遺産

彼の晩年は、思想的変化も含めて著名な評論や文学活動を続けます。1962年には共産党を離脱し、日本民主主義文学同盟に加わりました。戦後の新たな文学潮流を引き受けながらも、彼の影響力は途絶えることなく続いていきました。彼の著作には、後世に残る多くの優れた書が含まれており、特に『人間太宰治』や『太宰治おぼえがき』など、太宰への視点を与えた作品は今でも読み継がれています。

彼の最期の場所は栃木県佐野市の金成院にあります。彼が遺した文学と思想は、多くの作家たちへの影響を与え続けており、今後も評価され続けることでしょう。

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