山岸絵美

山岸絵美は、日本の女子柔道界において、類まれな才能と激しい戦いを象徴する選手として知られています。1986年生まれ、長野県塩尻市出身。48kg級を主戦場とし、内股、巴投げ、寝技を得意とする左組の選手でした。

7歳で柔道を始めると、幼少期から厳しい基礎トレーニングを積みます。小学生時代はライバルの清水千晶選手に幾度も敗れながらも、6年生で念願の県チャンピオンに輝きました。中学校3年時には全国中学校柔道大会で優勝、その後、清水選手の誘いで参加した三井住友海上の合宿で、柳沢久監督に見出され入社することになります。進路に迷いながらも、アテネオリンピック金メダリストの上野雅恵選手や銀メダリストの横沢由貴選手らに触発され、世界を目指す決意を固めます。

高校は藤村女子高校に進学。三井住友海上の道場でトップレベルの選手たちと稽古を積み、強豪ひしめく環境で研鑽を積みました。高校時代には、アジアジュニアで優勝、全日本ジュニアで2位、全国高校選手権では2位と1位を経験します。

2005年に三井住友海上に入社。その後も、国内外の主要大会で活躍を続けます。選抜体重別では谷亮子選手を破り優勝するなど、数々のタイトルを獲得。しかし、オリンピック代表争いは熾烈を極めました。2008年北京オリンピック代表選考では、実績を積んだ谷亮子選手に敗れ、代表選出はなりませんでしたが、その選考過程については、透明性を求める声も上がりました。

山岸選手は、福見友子選手、浅見八瑠奈選手ら強豪選手との間で、国内トップレベルの代表争いを繰り広げました。国際大会でも安定した成績を残すことができず、オリンピック代表選出には至りませんでしたが、数々の優勝、入賞を果たしました。

山岸選手の柔道スタイルは、多彩な技と寝技へのスムーズな移行が特徴でした。内股は相手を振り回すような独特の投げ方、巴投げは釣り手を離さないことで寝技への繋ぎを意識するなど、独自の工夫が見られました。

2015年に現役を引退。現在は三井住友海上女子柔道部の特別コーチとして、後進の指導に当たっています。小学生への指導にも携わり、柔道界への貢献を続けています。

山岸絵美選手の柔道人生は、類まれな才能、並々ならぬ努力、そして激しい代表争いを経て、日本の女子柔道史に名を刻むものとなりました。その経験は、現在指導者として後進を育成する上で、大きな財産となっていることでしょう。彼女が培ってきた経験と技術は、今後の日本の女子柔道界を支える上で重要な役割を果たすものと期待されます。数々のタイトルを獲得した輝かしい戦績、そして常に強豪選手と渡り合った激しい闘い、そのすべてが山岸絵美という選手の大きな魅力であり、今後の柔道界への貢献に繋がるものと期待されています。

主な戦績としては、全国中学校柔道大会優勝、アジアジュニア選手権優勝、全国高校選手権優勝、選抜体重別選手権優勝、講道館杯優勝、グランドスラム・パリ優勝など、国内外の数々の大会で輝かしい実績を残しています。これらの実績は、山岸絵美選手の卓越した実力と、たゆまぬ努力の賜物と言えるでしょう。

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