福見友子

福見友子：数々の栄光と挫折を乗り越えた柔道家から指導者へ

福見友子氏は、1985年生まれの茨城県出身の元女子柔道家です。48kg級で活躍し、数々の国際大会で輝かしい成績を残しました。現在はJR東日本女子柔道部コーチとして、後進の育成に尽力しています。

幼少期と柔道との出会い

2歳で父を亡くした福見氏は、8歳から柔道を始めました。母は彼女を「自分に厳しく、他人に優しい、人見知り」と評しています。この性格が、彼女を数々の困難を乗り越える原動力となったと言えるでしょう。

飛躍と挫折：2002年から2008年

高校2年生だった2002年、全日本選抜柔道体重別選手権大会で、当時無敵を誇っていた田村亮子選手を破る金星を挙げました。しかし、その後は苦戦が続き、自身の柔道の迷いを深めます。彼女は、周囲の期待に応えようとするプレッシャーとの闘いを後に語っています。

2007年の全日本選抜体重別選手権大会では、出産から復帰した谷亮子選手を破り初優勝を飾りました。しかし、世界選手権代表には選ばれず、北京オリンピック出場も絶望視されました。

2008年にはフランス国際で右足を骨折。北京オリンピック最終選考会では痛み止めを服用しながらも一回戦敗退という結果に終わり、五輪出場は叶いませんでした。それでも、東アジア選手権大会、嘉納治五郎杯東京国際柔道大会で優勝を果たし、その実力を証明しました。

ロンドンオリンピック代表選考と五輪での戦い

北京オリンピック後、ロンドンオリンピック出場を目指し、山岸絵美選手、浅見八瑠奈選手らとの激しい代表争いが繰り広げられました。

2009年の世界柔道選手権大会では初出場初優勝を果たし、2010年には全日本選抜体重別選手権大会で連覇を達成しました。しかし、2010年の世界選手権では浅見選手に敗れ準優勝、アジア大会でも不可解な判定で銀メダルに終わるなど、苦い経験も積みました。

2011年も世界選手権で準優勝。ロンドンオリンピック代表選考は最終盤まで白熱し、2012年の全日本選抜柔道体重別選手権大会で優勝を果たし、ロンドンオリンピック代表の座を掴みました。

しかし、ロンドンオリンピックでは準決勝でドゥミトル選手に敗れ、3位決定戦でも敗退。5位という結果に終わり、金メダル獲得の夢は叶いませんでした。この結果は、彼女にとって一生悔いが残るものとなりました。

引退と指導者への転身

2013年4月、現役を引退。全柔連からのコーチ就任要請を辞退し、ロシア女子ナショナルチームの特別コーチを務めました。同年、結婚。その後、イギリスへ留学し、指導者としての理論や語学の研鑽を積みました。

2015年にはJR東日本女子柔道部コーチに就任、2016年には全日本女子代表チームのコーチも務めました。

谷亮子選手との対戦

公式戦で谷亮子選手から2勝を挙げた唯一の選手として知られています。

その他

声優としてテレビアニメ「宇宙兄弟」に出演したり、フジテレビの柔道解説者としても活躍するなど、多方面で活躍しています。

結論

福見友子氏の柔道人生は、数々の栄光と挫折、そしてそこから得られた経験と学びに彩られています。彼女は、選手としてだけでなく、指導者としても日本の柔道界に大きな貢献をしていると言えるでしょう。その経験と強い精神力は、今後の指導者としての活動にも活かされていくことでしょう。

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