山岸謙太郎

山岸 謙太郎（やまぎし けんたろう）は、長野県須坂市出身の日本の映画監督です。横浜市を拠点に、自身が代表兼監督を務める自主制作映画チーム「ProjectYamaken」の活動を中心に据えながら、近年では劇場公開される商業作品も多数手掛けています。

長年にわたる自主制作での精力的な活動は、国内外で高い評価を受けています。特に2007年に発表された自主制作映画『キヲクドロボウ』は、大規模な映画祭である上海国際映画祭のパノラマ部門で見事入賞を果たす快挙を達成。この作品は上海の他にも、ハンブルク日本映画祭や京都国際映画祭など、数多くの映画祭で上映され、映画専門誌や一般メディアでも広く取り上げられるなど、大きな注目を集めました。

また、2012年にはアクションムービーコンペティションに出品した短編映画『東京無国籍少女』が、審査員長を務めた著名な映画監督、押井守氏（代表作に『機動警察パトレイバー』シリーズや『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』など）から高い評価を受け、審査員長賞を受賞しました。この作品はさらに、押井監督自身の手によって劇場用長編映画としてリメイクされるという異例の展開をたどり、映画ファンの間で大きな話題となりました。

映画監督としての活動に加えて、多岐にわたる分野で映像制作に携わっています。PlayStation 3用ソフト『みんなのGOLF 5』のオープニングムービーや、NHKが製作したドキュメンタリーシリーズ『Forbidden Kyoto』、さらには警視庁の広報用ビデオなど、様々な映像作品に制作スタッフとして参加。また、吉本興業のお笑い芸人がショートフィルム製作に挑む企画『SoftBank お笑いLIFE ショートフィルムチャンネル』では、映画監督アドバイザーとして、お笑いコンビ・ピースの又吉直樹氏をはじめとする多くの芸人監督たちをサポートするなど、後進の育成や異分野との連携にも貢献しています。

近年では、人気劇団である劇団6番シードとタッグを組み、長編映画『Dプロジェクト』を2017年から2018年にかけて製作しました。このプロジェクトでは、小劇場特有の観客との距離感や一体感を映画製作に取り入れ、観客とともに作品を作り上げていく新しいスタイルに挑戦しています。最新作としては、女優の武田梨奈を主演に迎えた『三十路女はロマンチックな夢を見るか？』が2018年3月31日に公開されました。今後の公開が待たれる作品に『シケモクとクズと花火と』（2025年公開予定）があります。

主な映画監督作品として以下が挙げられます。

逃想少年（2002年）-製作総指揮・脚本兼任
キヲクドロボウ（2007年）
イヤータグ（2011年）-脚本兼任
東京無国籍少女（2012年）
サムライゾンビ・フラジャイル（2013年）
終焉少女 Last Girl Standing（2013年）
鐘が鳴りし、少女達は銃を撃つ（2014年）
ぼくらは動物探検隊 〜富士サファリパークで大冒険（2014年）-脚本兼任
Dプロジェクト（2016年〜2018年）
アリスインデッドリースクール・アジタート（2017年）
三十路女はロマンチックな夢を見るか？（2017年）-脚本・合成兼任
シケモクとクズと花火と（2025年公開予定）

この他、プロデュース作品として『KARAKURI』（2012年）、ミュージックビデオにアリスインアリス『武将降臨OVER AGAIN』（2015年）があります。また、ゲーム『Root Film ルートフィルム』（2020年、角川ゲームス）には本人役で出演しています。

自主制作から商業作品まで、ジャンルやメディアの枠を超えて活動を展開し、その才能は国内外で高く評価されています。今後の活躍にも注目が集まる映画監督です。

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